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【兵庫県立病院・栄養士研修・給食管理研修会】給食施設における事故防止について~異物混入の原因と対策~(2021年11月26日) 【研修実施報告】

当日の病院の給食をいただきました(病院給食を初めて食べたのですがクオリティが高くて驚き)

給食施設における事故防止について~異物混入の原因と対策

内容

  1. ネット時代の食品不祥事(SNSやクレーマー)
  2. 事故の事前対策と事後対応(危機管理の考え方)
  3. 異物混入事例の検討(ワーク)
  4. どんなときに異物が混入するのか(HACCP的な考え方)
  5. 組織対応と個人対応(事故防止のためにできること)
  6. リスクコミュニケーション(100%の安全はないという前提)

目標

「組織で取り組むこと」と「個人で取り組むこと」を理解して、すぐに行動したいと感じる

1.ネット時代の食品不祥事(SNSやクレーマー)

本来であればワークをするのですが、時間の関係とオンライン研修でもあり、項目紹介にしました。

  • 異物混入などの食品事故は、これまでは小さい範囲で収まっていた。
  • インターネットが普及するにつれて、誰もが瞬時に情報発信することが可能になった。
  • SNSを通じて拡散される食品不祥事には、「告発系」と「悪ふざけ系」がある。
  • 情報の信憑性を問わず、情報拡散し、社会問題に発展することもある。
  • 社会問題にまで発展すれば、大きな不祥事となり、社会的・経済的な制裁を受けるようになった。
  • 給食施設における事故でも、不正確な情報が拡散するリスクがある。

2.事故の事前対策と事後対応(危機管理の考え方)

危機管理は2つの考え方から成り立つ

「事前対策」・・・事故が起こらないように対策しておく。事故が発生したときに備えて何をするか考えておく。(リスクコミュニケーション)
「事後対応」・・・事故が発生したときに原因究明・被害拡大防止・被害者対応など迅速な対応を行う(クライシスコミュニケーション)

⇒ マニュアルの作成、シミュレーション訓練、研修、多くの事例を知ること(反面教師とする)

3.異物混入事例の検討(ワーク)

  • 事故事例から学ぶことは、生きた教材である。
  • 日常から、新聞・テレビなどから情報を入手する。
  • 一般の消費者としてみるだけでなく、プロの調理関係者として、「どう思うか?」「なぜ起こったか?」「自分のところで起こるか?」「起こったらどう対応するか?」など、事故を起こした当事者だったら?という視点を持つ。
  • オンライン研修のため、ワークは省略し事例紹介だけとしました

【3つのポイント】

1.異物の混入経路(由来)
① 原材料…購入したもの・保管中のもの
② 環境…建物・調理機器・設備
③ 作業…調理作業中・調理器具由来
④ 人…髪の毛など個人由来・事件性
2.組織対応と個人対応
・ 組織として対応していかなければならないこと
・ 個人個人の心がけで対応できること
3.異物混入の発見タイミング
・ 給食の提供前(食べる前)だったのか、提供後(食べた後)だったのか

事例(ニュース動画・新聞報道など)

「異物混入、アレルギー、牛乳」の3つの分野に分けて事例紹介

1.異物混入
・原材料での混入
・環境からの混入
・調理作業中の混入
・人からの混入

2.アレルギー
アレルギー事故の問題点(原因)
①製造時の原材料の誤った混入
・受注者側(納品業者・製造業者)のミス
・発注者側(給食施設)のミス
・給食施設での調理(原材料投入)のミス
②製品への異物としての混入
③提供時(施設・担当者)の確認ミス

3.牛乳
牛乳の問題点(原因)
①品質特性
②製造ライン
③異物混入

1.異物混入・原材料での混入

1.異物混入・環境からの混入

1.異物混入・調理作業中の混入

1.異物混入・人からの混入

2.アレルギー ※すべての関係者にさまざまな原因(ミス)がある

3.牛乳 ※知っておくことがリスク対応の一つ

異物混入の発見タイミングについて考える

4.どんなときに異物が混入するのか(HACCP的な考え方)

  • 異物混入の原因には、「原材料」「環境」「作業」「人」由来の混入経路がある。
  • HACCPの考え方を使って、どこで何を注意すればいいのかを整理する。
  • 「できていること」「できていないこと」「これからやれること」などを考える。

「HACCP的な考え方」

  • ミスが起きそうな場所を探す
  • どんなミスが起こりそうなのか考える
  • ミスが起こらないような方法を考える
  • その管理のために記録をする

HACCPの定義(厚生労働省HP)

【参考】『HACCP(ハサップ)』とは?
Hazard Analysis and Critical Control Point

HACCP とは、 食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/

5.組織対応と個人対応(事故防止のためにできること)

6.リスクコミュニケーション(100%の安全はないという前提)

  • 事故を起こしたい人はいない。
  • しかし、どれだけ対策していても事故は起こってしまう。
  • 事故は起こるものと考えて、その起こる可能性をできるだけ低くするように対策する。
  • 過去は変えることができない(次にどうすればいいのかを考える)
  • 責任感に押しつぶされない(メンタルサポートも重要)

アンケート(感想)

研修内容・事故事例の紹介(食品事故防止チャンネル)

「異物混入の原因と対策」について、学校給食での調理関係者対象の研修会、給食施設・食品メーカー等での研修をご希望の場合はお問い合わせフォームまたは電話等によりご連絡ください。

過去の研修レポート

投稿者プロフィール

消費者法務コンサルタント 赤松靖生
消費者法務コンサルタント 赤松靖生
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)
◆WEB情報発信の専門家(ITコーディネーター)
ワードプレスによるホームページ制作支援・WEB情報発信支援
WEB情報発信セミナーなどWEB関係は趣味から発展した専門分野