実は「消費者法」という名前の法律はありません。消費者契約法や特定商取引法など消費者に関連する法律を総称して「消費者法」「消費者関連法」などと呼んでいます。

消費者法では、直接、消費者の権利義務や保護を定めたものもあれば、事業者が消費者向けに事業をしていく中での規制やルールなどを決めたものもあります。

特に、ネットを活用して事業を行う場合に、ホームページで必ず表示しなければならない事項が特定商取引法で規定されていますし、違法となる表現が景品表示法や(旧)薬事法などで規定されています。

ここでは、消費者法が必要な理由や、いくつかの消費者法を列挙し、消費者と事業者の具体的な関連事項を紹介します。

消費者と事業者との格差を埋めるために消費者法は存在します

契約や家族など社会生活のルールを定めている民法では、「契約自由の原則」があります。

契約は当事者間で自由に決めることができるので、例えば、原価100円のボールペンを10万円で売ったとしても、お互いが納得して契約した場合は周りが何といおうと有効となります。また、一度成立した契約をお互いの了解なしに勝手にやめることはできません。

では、一度、契約してしまえば、どんな契約でも必ず守らなければならないのか?とえいば、

訪問販売や電話勧誘、キャッチセールスなど、不意打ち的に勧誘された場合は、契約するつもりがなかったのに契約してしまうこともあります。

消費者が事業者と契約する場合は、圧倒的に事業者が優位な立場となります。

そこで、消費者を守るために、民法よりも、上位に適用される消費者法があるのです。消費者契約法や特定商取引法のクーリングオフなどが思い浮かぶかもしれません。

消費者と事業者との格差(消費者基本法・消費者契約法)

「消費者基本法や消費者契約法」の条文には、「消費者と事業者との間には、情報の質及び量並びに交渉力等の格差がある」と書かれています。

この格差を解消するために、消費者法が存在し、消費者センターが消費者からの相談を無料で受けてくれます。

事業者がよく消費者センターは消費者の味方ばかりすると文句をいう場合もありますが、消費者の味方をするために存在するのです。だからといって、消費者の主張をすべて通すのではなく、第三者の立場として公平に判断していますので、事業者の言うとおりだと判断することもあります。

事業者にとっての消費者法

今まで消費者の立場であった方が、事業をする場合は事業者の立場として、消費者法を理解しておかないと、法令違反に問われる可能性がありますし、苦情トラブルに適切に対応できなくなります。

特に、起業ブームで個人事業主や女性起業家が増加していますので、注意しておく必要があります。

事業者の方は、しっかり消費者法について勉強しておきましょう。

消費者法の基本を学ぶ6つのステップをカリキュラムにしていますので参考にしてください。

具体的な消費者法・消費者関連法

※法律名の横にはなじみのあるキーワードを、その下には少し専門的なエッセンスをあげています。

  • 消費者基本法・・・事業者の責務
    →消費者と事業者との間には情報の質・量・交渉力等に格差があることが前提
  • 民法 ・・・未成年者契約、損害賠償
    →未成年者契約は無効です。どこまでの金額が無効といえるのか?
    →損害賠償が認められるのは債務不履行と不法行為があったときのみ
  • 消費者契約法 ・・・誤認、困惑、不当条項
    →絶対に儲かるなどのうたい文句は違法
    →ノークレームノーリターンは通用しない
    →高額なキャンセル料は無効
  • 特定商取引法 ・・・クーリングオフ
    →通信販売も法律で規制されていますがクーリングオフは適用されない
    →通信販売はすべての商品・役務(サービス)が対象
  • 割賦販売法 ・・・クレジットカード
    →携帯電話の分割購入は借金と同じという自覚を
  • 製造物責任法 ・・・欠陥による賠償
    →過失の有無ではなく、欠陥の有無で判断される
  • 消費生活用製品安全法 ・・・重大事故
    →重大事故は10日以内に届ける義務がある
  • 消費者安全法 ・・・消費者センターの設置
    →消費者センターの法的位置づけ
  • 景品表示法 ・・・優良誤認、有利誤認
    →ネットでの広告にも不当な表現があれば違反
  • 個人情報保護法 ・・・個人情報の管理
    →5000件以上の個人情報を持っている場合に該当する
  • 食品衛生法 ・・・許認可、食品危害防止
    →食中毒の予防
  • JAS法 ・・・農産物の原料原産地
    →虚偽表示が社会問題
  • 食品表示法 ・・・消費期限、賞味期限
    →食品表示について一元化
  • 健康増進法 ・・・栄養成分表示、トクホ
    →健康食品の位置づけ
  • 電気用品安全法 ・・・PSEマーク
    →PSEマークのない電気用品の販売禁止

...など

消費者法のセミナー

法務担当者のいない小規模事業者にとってコンプライアンス(法令順守)は難しいイメージがあり、後回しになりがちですが、顧客との信頼関係で成り立つ小規模事業者だからこそ、きちんと法律を理解し学んでいくことが、事業の安定・信頼・発展につながります。

勉強するポイント

  • 消費者法にはどのようなものがあり何を規定しているのかという全体像を知ります。そうすれば、何かトラブルがあったときに、何を参考にして対応していけばいいのかということのヒントになります。
  • そして、関連する法律を調べて解決方法を探ります。ただ、個別の法律で何が問題かというのが分からないことも多く、法律解釈には慣れと経験が必要です。そのために、個別の法律について、事業をしていく中でのトラブルと関連付けて具体的に勉強していくことが必要です。
  • さらに、お客様とトラブルが発生した場合に、法律に基づく正しい判断をして対応することが求められます。また、トラブル解決のための実践的なテクニックを学んでおくことも大切です。

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個別の消費者法を学ぶ前提として、法務とは何か、事業者関係約と消費者契約の違いは何か、などを知っておいてください。

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