• 参加対象者が長野県全域にわたるため、参加者オンライン、講師オンラインとなりました。施設によっては1人での参加や複数人で受講されている場合もあります。合計参加者は438人となりました。
  • 参加者が集合研修で、講師オンラインというのは何回かありました。
  • 本来は対面研修の方が声をかけながらできるので機動的かつ効果的ですが、今回は、遠方や広域など、事情があるので参加者講師ともオンラインとなりました。逆に考えれば、オンラインでも開催が可能になったことから実現できた研修ともいえます。
  • 実は私の研修は静かに聞くのではなく、周りの参加者とがやがや話しながら聞いてくださいとしています。オンラインの場合は参加者は見えないので、そのような光景を想像しながらお話ししています。
  • 【参加対象者】市町村教育委員会(学校組合)担当課長・担当者、給食施設管理者、栄養教諭、学校栄養職員、栄養教諭・学校栄養職員のいない学校給食調理場の衛生管理責任者、調理員、夜間課程を置く高等学校の給食担当者、学校給食調理委託業者等
  • 研修全体は、午後1時30 分から午後4時45 分までとなっており、私の講演の前に、「令和7年度の食中毒発生状況等について」が20分、「文部科学省事業 学校給食の調査研究を受けて」の実践発表が30 分ありました。休憩をはさんで、120分の時間をいただきました。
  • 食中毒発生状況ですが、私が保健所に勤務していたころは「腸炎ビブリオ」や「サルモネラ」が上位を占めていましたが、今は、圧倒的に「ノロウイルス」となっています。学校給食でのノロウイルスの事例も最近発生しています。
  • 今回の研修は、120分の時間をいただきました。最近は90分もあったので、ある程度、フルにお伝えすることができます。ただ、研修を重ねるたびに、紹介する事例が増えていき、結局は時間がきちきちになり、最後のHACCPは大急ぎで解説しました。
  • ちなみにスライドは168枚です。事例は55です(初期の研修に比べて事例が倍増しています)。
  • 今回の研修では事務局が参加者にグーグルフォームでアンケートを回答する形にしていましたので、すべてではありませんが、100件あまりの感想を抜粋していただきました。
  • 感想を読んで感じたことが2つありました。
    1つは、それぞれに刺さるポイントはさまざまですが、これだけの人数だと、ほとんどすべての項目に関して、感想が書かれていたことです。現場で実践してみたいことや使ってみたいチェック表など非常に役に立ったかなと思います。これではスライドを減らせないなあと・・・。
    もう1つは、現場を代表して参加された方が多かったので、それを伝える研修などをしたいということでした。この研修は現場の方向けにお話ししているので、参加者がさらに現場で研修ができるようには資料を作成していません。事例等については、食品事故防止チャンネルで紹介しているので参考にしてほしいとお話ししています。全部を作成していないので、今回見直しをしているところです。次回からは、どんな事例を紹介したかの一覧表等も配布する必要があるかもと感じました。
  • 今回紹介した事例は、下記の記事内に紹介しています。また、個別の事例解説記事を作成している場合は事例にリンクを張っています。

給食施設における事故防止について~異物混入の原因と対策

内容

  1. ネット時代の食品不祥事(SNSやクレーマー)
  2. 事故の事前対策と事後対応(危機管理の考え方)
  3. 異物混入事例の検討(ワーク)
  4. どんなときに異物が混入するのか(HACCP的な考え方)
  5. 組織対応と個人対応(事故防止のためにできること)
  6. リスクコミュニケーション(100%の安全はないという前提)

目標

「組織で取り組むこと」と「個人で取り組むこと」を理解して、すぐに行動したいと感じる

1.ネット時代の食品不祥事(SNSやクレーマー)

本来であればワークをするのですが、時間の関係とオンライン研修でもあり、項目紹介にしました。

  • 異物混入などの食品事故は、これまでは小さい範囲で収まっていた。
  • インターネットが普及するにつれて、誰もが瞬時に情報発信することが可能になった。
  • SNSを通じて拡散される食品不祥事には、「告発系」と「悪ふざけ系」がある。
  • 情報の信憑性を問わず、情報拡散し、社会問題に発展することもある。
  • 社会問題にまで発展すれば、大きな不祥事となり、社会的・経済的な制裁を受けるようになった。
  • 給食施設における事故でも、不正確な情報が拡散するリスクがある。

2.事故の事前対策と事後対応(危機管理の考え方)

危機管理は2つの考え方から成り立つ

「事前対策」・・・事故が起こらないように対策しておく。事故が発生したときに備えて何をするか考えておく。(リスクコミュニケーション)
「事後対応」・・・事故が発生したときに原因究明・被害拡大防止・被害者対応など迅速な対応を行う(クライシスコミュニケーション)

⇒ マニュアルの作成、シミュレーション訓練、研修、多くの事例を知ること(反面教師とする)

3.異物混入事例の検討(ワーク)

  • 事故事例から学ぶことは、生きた教材である。
  • 日常から、新聞・テレビなどから情報を入手する。
  • 一般の消費者としてみるだけでなく、プロの調理関係者として、「どう思うか?」「なぜ起こったか?」「自分のところで起こるか?」「起こったらどう対応するか?」など、事故を起こした当事者だったら?という視点を持つ。
  • オンライン研修のため、1人参加の場合はセルフ、複数参加の場合はグループワークとしました。

【3つのポイント】

1.異物の混入経路(由来)
① 原材料…購入したもの・保管中のもの
② 環境…建物・調理機器・設備
③ 作業…調理作業中・調理器具由来
④ 人…髪の毛など個人由来・事件性
2.組織対応と個人対応
・ 組織として対応していかなければならないこと
・ 個人個人の心がけで対応できること
3.異物の種類と発見タイミング
・ 異物は「危険異物」だったのか、「非危険異物」だったのか
・給食の提供前(食べる前)だったのか、提供後(食べた後)だったのか

【参考】長野県・学校給食の手引き

長野県HP
ホーム > 学校保健、給食、安全 > 学校における食育 > 学校給食の手引き運営管理編

6学校給食における事故防止(一部修正R5.1.23)(PDF:473KB) 

82~86ページ
6-4 異物混入等への対応

https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/hokenko/hoken/kyushoku/shokuiku/jokyo/uneikanri.html

事例(ニュース動画・新聞報道など)

「異物混入、アレルギー、牛乳」の3つの分野に分けて事例紹介

1.異物混入
・原材料での混入
・環境からの混入
・調理作業中の混入
・人からの混入

2.アレルギー
アレルギー事故の問題点(原因)
①製造時の原材料の誤った混入
・受注者側(納品業者・製造業者)のミス
・発注者側(給食施設)のミス
・給食施設での調理(原材料投入)のミス
②製品への異物としての混入
③提供時(施設・担当者)の確認ミス

3.牛乳
牛乳の問題点(原因)
①品質特性
②製造ライン
③異物混入

1.異物混入・原材料での混入

1.異物混入・環境からの混入

1.異物混入・調理作業中の混入

1.異物混入・人からの混入

  • 小学校の給食のご飯に「たばこ」が混入
  • 給食のチンゲンサイにあめの包装紙が混入

2.アレルギー ※すべての関係者にさまざまな原因(ミス)がある

3.牛乳 ※知っておくことがリスク対応の一つ

異物混入の発見タイミングについて考える

  • 給食の提供前に「異物混入」を発見できるかどうか?
  • 紹介した事例の中でも、発見できた事例と発見できなかった事例がある。
  • 施設側の責任で異物が混入したとしても、給食の提供前に発見することができたら、危機を回避することができるといえるのではないでしょうか。

4.どんなときに異物が混入するのか(HACCP的な考え方)

  • 異物混入の原因には、「原材料」「環境」「作業」「人」由来の混入経路がある。
  • HACCPの考え方を使って、どこで何を注意すればいいのかを整理する。
  • 「できていること」「できていないこと」「これからやれること」などを考える。

「HACCP的な考え方」

  • ミスが起きそうな場所を探す
  • どんなミスが起こりそうなのか考える
  • ミスが起こらないような方法を考える
  • その管理のために記録をする

賞味期限切れの食材を提供した事例

HACCPの定義(厚生労働省HP)

【参考】『HACCP(ハサップ)』とは?
Hazard Analysis and Critical Control Point

HACCP とは、 食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/

5.組織対応と個人対応(事故防止のためにできること)

  • 異物混入の経路を整理し、組織として対応していかなければならないことか、個人個人の心がけで対応できることかを分けて、それぞれの具体的行動を考える。
  • ToDo(やるべき)リストやマニュアルの作成。予算措置。情報共有。
  • まず、自分たちの職場でできることを考えることが大切。
  • トライ&エラー、試行錯誤 ⇒ 成果(成功・失敗)を情報共有

6.リスクコミュニケーション(100%の安全はないという前提)

  • 事故を起こしたい人はいない。
  • しかし、どれだけ対策していても事故は起こってしまう。
  • 事故は起こるものと考えて、その起こる可能性をできるだけ低くするように対策する。
  • 過去は変えることができない(次にどうすればいいのかを考える)
  • 責任感に押しつぶされない(メンタルサポートも重要)

研修内容・事故事例の紹介(食品事故防止チャンネル)

「異物混入の原因と対策」について、学校給食での調理関係者対象の研修会、給食施設・食品メーカー等での研修をご希望の場合はお問い合わせフォームまたは電話等によりご連絡ください。

  • 食品事故防止のための専門サイトでも情報発信しています
  • 過去の研修レポートも参考にしてください。

投稿者プロフィール

消費者法務コンサルタント 赤松靖生
消費者法務コンサルタント 赤松靖生
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)
◆WEB情報発信の専門家(ITコーディネーター)
ワードプレスによるホームページ制作支援・WEB情報発信支援
WEB情報発信セミナーなどWEB関係は趣味から発展した専門分野