テレビでも報道されたニュースですのでご存知の方もおられると思います。
本来、9980円の「おせち」を、12月21日に82円送料無料のタイムセールで販売したが、殺到した申し込みに業者側がシステムにミスがあったとして、販売中止し、受けた注文をキャンセルしたというものです。業者の言い分は、3個限定にするはずが設定間違いしたとのことで、お詫び文を出し、注文者には300円分のクオカードを送ることにしたという顛末です。
おせちの騒動といえば、私の消費者法入門セミナーで景品表示法の説明用に使っているグルーポンの事件を思い出します。
批判的な評論についてはニュース等にお任せするとして、事業者へ消費者法の法令遵守(コンプライアンス)をアドバイスしている私としては、この事件を法律の目で冷静に分析したいと思います。
みなさんも、このようなミスをしてしまうことも考えられます。
小規模事業者であれば、対応するだけで、精神的に参ってしまうかもしれませんし、セミナーでもお話しているように、「一発退場」のダメージも考えられます。
ひとごとではありませんので、しっかり、ビジネスのベースとして法律を知っておいてください。
この業者は過去にも同じようなことをやっているといわれていますが、それは置いといて、まず、今回の事例を考えたいと思います。
結論から言えば、販売業者は行政処分されるほどの悪質なものではなく、キャンセルできる可能性は法的にも高い事例だと思います。しかし、社会的な制裁は受けるかもしれません。もっとも、社会問題にまで発展すれば消費者庁も動かざるをえないかもしれません。
報道
J-CASTニュースより引用
http://www.j-cast.com/2014/12/24224117.html?p=all
「82円おせち」業者の都合でキャンセル 設定間違いと釈明するが、「前科」も判明
2014/12/24 19:27ヤフーのタイムセールで82円で売り出された「豪華おせち」が、業者の都合で注文直後に次々にキャンセルされ、騒動になっている。この業者は、別サイトのセールで、過去にも騒ぎを起こしていた。
ヤフー・ショッピングでは、2014年12月12~21日の間、「ウルトラ10DAYS」のバーゲンセールを行った。その中では、いくつかの商品が1時間のタイムセールとして82円の激安価格で販売された。
「システム不具合」説明変え、「設定間違い」と釈明
82円のおせちは、北海道夕張市の業者が、最終日の11時からヤフーのストア上で売り出した。2~3人前の25品が入った三段重のもので、有頭海老などがぎゅうぎゅうに詰まった写真付きで「超豪華」とうたってあった。送料も無料で、もともとは9980円としていたから、破格の値段だ。100個を注文しても、8200円の計算になる。
ところが、販売数を限定するとは表示されておらず、ネット上では、「無限販売中」ではと話題になった。「急げ!!」「これは買わないと損」と書き込まれ、セールが始まると、注文したとの報告がツイッターなどで相次いだ。中には、3~5個も買ったとの書き込みもあった。
そして、20分ほどすると、在庫切れとの表示が出るようになった。さらに、2時間ほど経つと、注文をキャンセルするとのメールが業者から届いたと、怒りの声が上がるようになった。
ネット上に投稿されたメールの文面を見ると、先着3人だけに販売する予定が、「システム不具合」でどんどん注文できる状況だったと説明していた。そのことを謝罪したうえで、手数料を含めて全額返金するとあった。
その後、ストア上でお詫び文が出され、システム不具合としていた説明を変えて、その後の調査で「設定間違い」が分かったと釈明した。業者は、24日夕現在で休店中の表示になっている。
「77%OFF」シュークリームとして定価販売の過去も
しかし、注文者らからは次々に不満の声が上がっており、ヤフーのレビュー欄で12月24日夕現在、業者に最低評価の星1つを付けるのが300件以上にも達する事態になっている。
この業者については、1年前の楽天優勝セールでシュークリームを「77%OFF」と表示してほぼ定価で販売して騒ぎになった経緯も、ネット上で暴露された。
今回のことの詳しい説明を聞こうと、業者に電話取材したが、店員だとする人が出て、「対応できる者はいません。ヤフーさんに聞いて下さい」とだけ答えた。
そこで、ヤフーに取材すると、広報室では、楽天で騒ぎになった業者であることを認めたうえで、設定間違いについて次のように説明した。
「通常は、商品の在庫数を設定したうえで販売するのですが、ヒューマンエラーで在庫がたくさんある状態になっていました。決して意図的なものではないとのことで、ご迷惑をかけました。セール開始後すぐに、こちらでおかしいと気づき、連絡して販売を止めてもらっています」
システム不具合については、「あくまでも設定ミスであって、ヤフー側の不具合ではありません」と否定した。
タイムセールでは、別の業者が「82円おせち」を販売し、「限定5個」などと明確に表示している。今回の業者は表示する予定はなかったというが、ヤフーでは、「ストアのページに必ずしも限定販売数を書かないといけないことはありません」としている。
業者はお詫び、返金の対応をしているとしたうえで、ヤフーでは、「業者には、厳重に注意し、今後どうするかを検討しています。われわれとしても、申し訳なく思っています」と話している。
夕張市の産業課では、今回の情報は入ってきていないとしたものの、特産のメロンやアスパラガスの販売で「送ってこない」「連絡が取れない」といった業者への苦情は多いことを明らかにした。業者には注意をしているというが、「市や地元とは関係がなく、迷惑しています」と言っている。
今回の事件の背景
常識を考える
まず、大前提として考えておかなければならないことは、1万円近い「おせち」が送料無料の82円で無限に買える ことは一般常識からも考えられず、タイムセールなどのイベントでの販売形態を考えると、数量限定であることは容易に予想できます。割引価格というよりもプレゼ ント的なものであり、本来は限定数であるはずのものが何らかのミスによって限定表記しておらず、注文システムも対応していなかったということです。
今回は「悪意のあるミス」という想定ではなく、「単純なミス」として考えたほうが自然だと思いますし、事実関係が不明な状態なので、こう考えるほうが解釈としてはフェアだと考えます。悪意があったとしても証明することは難しいし、悪意のメリットもないと思います。
価格と販売数量を考える
料金が半額というのは、クーポンサイト等でもよくあることで、相当数の販売実績もあったりします。半額程度であれば二重価格という面を考えないとすると、割引価格として存在しても違和感はないと思います(原価は一般的に3割もないでしょうから)。
ところが、今回の価格は明らかに原価割れです。数が非常に限られる目玉商品だというのはすぐに分かると思います。発売開始時刻になれば即売切れてしまうというのはヤフーや楽天のタイムセールで経験済みだと思います。
もし、これが販売数量についての記載が抜けていて、販売数量が限定されておらず、時間がある程度経過しても、無限に注文できるとすれば、販売者が数量の入力ミスをしたと消費者側でも気付く可能性は高いのではないかと思います。そうなれば、掲示板等でいわゆる「まつり」になります。
もちろん、数量ではなく価格を82円としてしまったミスもも考えられますが今回は価格の表示ミスではありません。
適用される法律
- 特定商取引法・・・特定商取引法に基づく表示
- 景品表示法・・・有利誤認、おとり広告
- 民法・・・錯誤無効
- 電子消費者契約法・・・契約の成立時期
特定商取引法に基づく表示
通信販売を規制する法律です。
特定商取引法第11条第5号に定める省令(特定商取引法施行規則第8条第7号)
『前三号に掲げるもののほか商品の販売数量の制限その他の特別の商品若しくは権利の販売条件又は役務の提供条件があるときは、その内容』を表示する義務があります。
3個限定なのに、3個限定というのが書いていなければ違反になります。違反だからといって、ただちに契約が成立するわけではありません。契約が成立しているかどうかは個別の状況で判断されるのであって、違反した場合は、違反行為に対する行政処分がされるに過ぎません。なお、この程度といっては誤解を招くかもしれませんが、相当な悪意がなければ行政処分まではないと思います。普通に考えれば、単純なミスによる記載漏れです。もっとも、販売業者はきちんとした事後対応が必要ですし、事後対応をあやまったりして社会問題に発展すれば別かもしれませんが。
⇒特定商取引法に違反しますが、行政処分ほどではないし、契約の成立とは切り離した問題だと思います。
景品表示法
有利誤認・・・本来の価格よりも安く買えるという有利な条件で購入したのに、有利ではなかった場合(二重価格など)
さすがに、この価格が後で調べたら通常価格と変わらず、有利ではなかったということはないでしょう。
どちらかというと、安い価格で買えると思ったのに数量限定だった。数量限定だったら申し込まなかった、というところでしょうか。ただし、契約が成立していないのですから、被害の発生がないという点で少し考えがずれてしまいますね。
ちなみに、優良誤認は広告内容と中身が違っているというものですが実際に販売されませんでしたが、そういう意図もないと思われます。単純な赤字覚悟の限定目玉商品でしょう。
おとり広告
限定数量の広告を出しながら、広告の数だけ用意されていない
⇒今回は「限定3個」を表示していないミスだと思われますので、もし表示して、実際に3個販売されていれば「おとり広告」にはなりません。ただし、意図的に、表示しなかった場合は問題になるでしょうが、今回はタイムセールの性質上、限定数の表記ミスと考えるのが妥当だと思います。
(計算ずくで表示しなかったという性悪説は排除して考えます。何のメリットもないと思いますし、普通に限定3個でも十分に宣伝効果はあると思います)
⇒景品表示法では重大な問題がないように思います
民法
95条は錯誤があった場合の契約の申し込みは、重大な過失があった場合を除き、取り消しできるというものです。
これは、購入者側の場合もありますし、販売者側の場合もあります。
「購入者側で考えると、契約をするつもりではなかったのに契約になってしまっていた」「セールストークにより品質や価格を勘違いしてしまった」などで、消費者に重大な過失がなければ取り消しできます。
ただし、今回は購入者側が契約を取り消しせよではなく、契約を有効にせよというものなので、95条とはなりませんね。
一方、販売者側でいうと、表示した価格を錯誤無効にすることができるかという点がポイントになります。値札を表示するときに「0」を1つ付け忘れてしまったことが単純ミスになるか重大なミスになるかということです。私は単純ミスでもいいのではと思いますが、いろんなガイドラインを見てみると、「システム入力は慎重に入力すれば間違うはずはないので、間違ってしまえば重大な過失となり、その表示は無効とはならない」、と考えられているようです。
ただし、買う側が誤表示であることを分かって購入した場合は錯誤無効になります。たとえば、パソコンが「0」を付け忘れたことで激安になったのを知って、1人で何個も注文したり、掲示板で誤表示との書き込みを見て購入したりというものです。今回も、掲示板で書き込みがあったので、それを見て、誤表示だと考えて購入した場合は、無効となるでしょう。
ガイドラインは価格についての誤表記の解説ですが、個数表記も同じように考えたらいいと思います。
ただし、民法はざっくりした法律なので、実際に裁判をしてみなければ重大な過失になるかどうかは判断できません。個人的には、背景のところでも書いたように、重大な過失として、契約成立分は履行しなければならないとまではいえないような気がします。
⇒販売業者のミスが民法95条の重大な過失にあたるかどうかは、重大なミスにあたるような解釈がされていますが、今回の場合は最終的には裁判所の判断になるのではと思います。
電子消費者契約法
私のセミナーで詳しい解説を聞いた人は記憶に残っているかもしれませんが、正式法律名が「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」です。
この法律には①消費者の電子契約申し込みが重大な過失にならずに錯誤にあたるかどうかを定めたもの(いわゆる申し込みの最終確認画面のこと)と②電子契約の成立時期についての2つを定めている法律です。
前者は消費者側の錯誤で、今回は関係していないので、後者の契約の成立時期について考えます。
そもそも契約は成立しているか?
契約の成立は、一般的に契約の申し込みと承諾があって成立します。したがって、申し込みだけでは成立しません。電子契約の場合、販売業者から申し込みの承諾のメールを受けた場合に契約が成立します。
ただし、単純に、モールからの折り返しメールで、「申し込みを受け付けました。後日販売業者から正式な注文受付承諾メールが送付されます」とあれば、その折り返しメールは承諾の通知とはなりません。楽天などでショッピングした経験があるならお分かりだと思います。
今回の注文承諾メールがどのようなものだったかは、資料がないのでわかりませんでしたが、おそらく、ヤフーの自動折り返しメールではないかと思われます。そうすると、承諾メールを出す前であるので、取り消しは可能ということになります。この点が消費者には理解しづらく苦情になるところです。
もちろん、取り消しするからには、何らかの道義的責任は発生するのは言うまでもありません。その対応を誤ると苦情が殺到することになります。
もし、折り返しメールで契約が成立していた場合には少しややこしくなりますが、最終的には取り消しできるのではないかと思います。
⇒そもそも契約は成立していなかった可能性があり、そうなれば、取り消しは可能です。ただし、販売業者には社会的・道義的責任が残ります。
ヤフーの責任
ヤフーがどこまで出店者側の管理責任を問えるかという議論もあると思います。
ヤフーはあくまで取引の場を提供しているだけという原則があるので、難しいとは思いますが、タイムセールはヤフーとしても販売促進の大目玉です。また、限定販売のタイムセールはアクセスが殺到し、購入できない消費者は不満を募らせます。したがって、この種のイベントに苦情が来ることは想定できると考えると、トラブルの未然防止として、目玉商品の出品をチェックしてもいいのではないかと思ったりします。
法的責任という観点よりも、ヤフーとしてのトラブル未然防止のための社会的責任としての意味も含まれます。ヤフーにとっては手間ひまかかるかもしれませんがトラブルになると当然ヤフーも批判されます。
そういう意味では、イベント時の目玉商品のチェックは危機管理のひとつと考えられるのではと思います。人によるチェックが難しいのであれば、目玉商品の出品だけ、別のテンプレートを使い、価格と数量を厳重に確認できるシステムにし、何らかの疑念が発生したときは「アラート」を出すような仕組みも有効と思います。
販売業者の社会的責任
今回の事件は一種の不祥事です。マスコミにも取り上げられていますし、重大なダメージが予想されます。
ミスに気付き、迅速に販売途中で終了し、取り消しメールを送信したのは、ミスしたときの正しい判断(クライシスコミュニケーション)です。
さらに、お詫びの文章を出し、申込者に金券を送ることにしたというのは、企業として精一杯の対応をしたと思います。評価するかしないかは消費者次第ということになります。
あとは、今回の顛末を誰もがわかるように、言い訳にならないよう説明できるかどうかです。
ちなみに、申し込み先着3人にだけ商品を送れば、最低限の責任は果たしたことになるという意見もありますが、混乱を招くだけでしょうから、その対応も検討しておく必要があるでしょうね。
私は今回書いた記事で説明したことは知っているので、特にどうということはありません。「事業者はどんくさいことしたなあ」と思うだけですが、一般の消費者はここまで法律を知りません。また、マスコミも局所を捉えて、批判的に大げさに扱うという特徴もあります。
さらに、今回の業者が過去に景品表示法に違反するようなことをしていたという話もありますので、印象が悪いかもしれません。
今のところ、最終的には300円のお詫びをすることになりました。何人に金券を送付するか知りませんが、300人として経費も合わせると10万円ぐらいでしょうか。しかし、それ以上に本業のダメージもあるでしょう。
お詫び文
危機管理体制の構築
- ミスすることを事前に防止するのが予防法務の知識であり、リスクコミュニケーションです
(リスクコミュニケーションとは事前にリスクの度合いを考慮して対応策を考えておくことです。今回で言えば法務知識を得ておくことで、ミスに対する説明や対応が迅速にできることです。事前対応型と分類されます。) - ミスしてしまった後にダメージを最小限におさえる行動がクライシスコミュニケーション
(クライシスコミュニケーションですが、クライシスとは単純に「危機」であり「重大局面」のことをいいます。何かが起こったときに、危害の拡大防止のため、迅速に対応することです。事後対応型と分類されます。) - こ の「リスクコミュニケーション」「クライシスコミュニケーション」は私が行政で感染症の仕事をしたときによく使った言葉で、たとえば、エボラ出血熱が日本 に入ってくることを想定して準備しておくのが「リスクコミュニケーション」、エボラ出血熱の患者が国内で発生した場合は迅速に拡大防止対策をとる「クライシスコミュニケーション」となります。
事業者の法令遵守(コンプライアンス)への意識付け
今回の解説記事を読むと、だいたいの雰囲気が分かったと思いますが、どちらかというと、販売業者がどんくさいことをしてしまったということであり、そんなに大騒ぎするほどの問題ではないことが分かります。しかし、一般の消費者は法律の知識が十分でないこともあります。きちんと説明できたとしても、すべての消費者が理解し、納得するわけではありません。さらに、一部の過激な消費者がクレーマー化してしまうこともあります。
そのときに、事業者として、消費者対応の法律や苦情対応のスキルを学んでいなければ、事業規模が小さいほど、対応に忙殺されて事業どころではなく、精神的にも追い詰められます。ミスをした事実よりも、事後対応のまずさに対してのクレームに標的が変わってくることもあります。
最初に言ったように、個人事業主などの小規模事業者であれば、「一発退場」もありうることです。
しっかり予防することが、自分の会社や自分自身を守ることになります。
といっても、大きな会社であれば、法務担当者やお客さま対応の担当者、顧問弁護士などがいて、社内の研修体制も整備されているかもしれませんが、個人事業主などの小規模事業者には、人も資金もありません。また、どうやって、学んだらいいのかも分かりません。
さらに、今年の12月1日に改正景品表示法が施行され、不当表示の管理責任義務が課せられました。景品表示法を知らなかったでは済まされない時代になりました。
そのような、小規模な事業者のために、消費者対応の法律や苦情対応のスキルを学んでほしいという願いの元に私は事業をしております。セミナーや企業研修、個別相談、コンサルにより、支援します。私のセミナー実施報告を見てもらうと分かると思いますが、理解してもらうことを最優先にしていますので、1回受講ではまったく終わりません。。
たとえば、今回の記事の解説セミナーをすれば少なくとも1時間は必要です。関連する法律や事例もあわせて2時間のセミナーになります。そうして、初めて、理解への一歩となるのです。
今回の事件の当事者である消費者が販売サイトに書き込んだコメントを読めば、消費者の気持ちや雰囲気が分かると思います。これらのコメントに真摯に対応できるだけの力をつけるために努力する必要があります。
これらのコメント1つ1つを分析することで、危機管理能力が高まります。もちろん、コメントに対する対応をどうすればいいのかを考える必要があります。このコメントに対するケーススタディだけでも、2時間ぐらいの社内研修に使えますね。
最後に、今回の金銭的な負担はせいぜい10万円ほどかもしれませんが、今後の売り上げにも影響してしまうという危機的状況です。どこまでリカバリーできるか正念場ですね。
また、規模が大きくなっていれば、ベネッセのように億単位の負担になったり、冷凍餃子農薬混入事件のように会社が存続できず、吸収されて助けられるということになった事例もあります。
一方、日常から消費者と真摯に向き合っていれば、いざというときに、味方になってくれて助けてくれることにもなるでしょう。
そして、消費者へのメッセージです。
日本では消費者教育は十分ではありません。消費者力を高め、信実を見極める目をもち、踊らされず、冷静な判断力を身につけてほしいと思います。昨今の、何かあったら、そこにつけこみ、揚げ足を取り、集団で追い討ちをかけるという行動は、結局は、自分たちで自分たちの首を締め付けているような気がします。日本人の他人を思いやる心はどこに行ったのでしょうか。
ミスしたという過去は変えることはできません。しかし、責任ある対応をした後、立ち直ろうという未来を応援していくような気持ちを持ってほしいと思います。
投稿者プロフィール
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◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)
◆WEB情報発信の専門家(ITコーディネーター)
ワードプレスによるホームページ制作支援・WEB情報発信支援
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