明石商工会議所 新入社員研修(2015/4/7)【実施報告】

毎年実施される明石商工会議所での2日間の新入社員研修の2日目の午前中の90分間を担当させていただきました。

研修タイトル
『社会人のコンプライアンス
~企業不祥事の未然防止と若者を狙った悪質商法から身を守るために~』

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明石地区の中小企業の新入社員が多く受講します。1社あたり1人から10人程度参加しており、年齢的には18歳から20代前半を中心に合計約100人の研修です。

昨年度までは、他の商工会議所と同じくビジネスマナーが主体の研修でしたが、今年からコンプライアンスの研修が導入されました。

法律の研修を90分間というと、新入社員にはきつかったかもしれませんが、できるだけ楽しく学んで、印象に残るように心がけました。なかなか、一度の研修で理解できるものではありませんが、何かあったときに再学習して知識を深めてほしいです。

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どのような研修だったのか紹介します。

研修の概要

研修の目的は、『大人の責任や契約トラブルの対処法、社会人として会社を背負っていることや不祥事』について学ぶことです。

「これから20歳になる未成年者」と「すでに20歳になっている成人」の違いは何か、というのを「民法」からアプローチして、法律を身近に感じてもらいます。
選挙権が18歳になる予定です。民法の成人の年齢も20歳から18歳へ引き下げる議論が今後出てくると思います。そんなときに、この研修を思いだしてもらえたらと思います。

また、消費者トラブルにはどんなものがあるかというのを、エステのキャッチセールスやマルチ商法、ワンクリック詐欺などの具体的な事例をあげながら、身近なトラブルとして紹介しました。デート商法では、宝石が多いのですが、最近はマンションを購入させるという高額な被害が出ていることも紹介しました。女性についてはエステの被害が多いことを。消費者トラブルにあったら、クーリングオフ期間を逃さず、できるだけ早く消費者センターに相談に行くことを強調しました。

最後に、不祥事に関して2分野紹介しました。1つはSNSでの書き込みが企業を倒産に追い込んだ事例などSNSの使い方について、あわせてネットでは匿名は存在しないことを。2つめは個人情報流出事例で、原因の多くは意図しないミスであることなど。

今回の研修ではポイントごとに簡単な穴埋め式の確認テストを行い、字で書いて記憶に残してもらうようにして、寝ないような工夫をしました。

コンプライアンスという若者には聞きなれない言葉を知ってもらうことも目的でした。今回受講した新入社員は、もしかすると社内で一番法律に詳しい社員になるかもしれませんね。今後の活躍を願っています。

【今日の学びの目標】

①大人の責任を知ろう!
②契約トラブルを知ろう!
③不祥事は「ひとごと」ではない!

研修内容(レジメより)

  1.  20歳になったら何が変わる?
    ・・・法律(民法)上の「未成年者の契約」と「20歳になったときの責任」について
  2.  消費者契約について
    ・・・トラブルの多い取引には法律の規制がかかり消費者は保護されます
  3.  特定商取引法とクーリングオフについて
    ・・・クーリングオフ期間内であれば無条件で解約できる
  4.  具体的なトラブル事例を紹介
    ・・・キャッチセールス、デート商法、マルチ商法など
  5.  クレジット契約と借金について
    ・・・気をつけたい携帯電話契約
  6.  消費者力を向上させ、自立した消費者へ
    ・・・従業員個人のコンプライアンス
  7.  事業者として法律を守る立場に
    ・・・事業者としてのコンプライアンス
  8. 不祥事予防
    ・・・SNS投稿、個人情報の流出

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【追記】新入社員研修の効果(アンケート結果)

商工会議所からアンケートの結果をいただいたのですが、その内容にびっくりしました。思った以上の効果が出ていたからです。感想に「コンプライアンス」という言葉が出てきたことが驚きです。また、会社の看板を背負うことの責任を多くの受講生が感じていたのには、会社にとっても良い影響があると思いました。

研修の効果が出た理由

いきなりコンプライアンスからはじまるのではなく、

⇒ 社会人としての責任
⇒ 消費者トラブルに巻き込まれた場合にどうすればいいのか
⇒ 今度は消費者から事業者の立場になる
⇒ 事業者の立場になれば消費者対応という反対の立場になる
⇒ 不祥事(ネットでの投稿や情報流出など)に対して会社を背負っている自覚が必要
⇒ コンプライアンスが重要である

ということを順序だてて話したことで、コンプライアンスが押し付けにならず、頭の中に入ってきて理解することができたのだとと思います。

研修の感想(一部紹介)※掲載の許可はいただいてます

20歳になったら大人としての責任を負う
  • 20歳になれば法律でも大人という扱いになるので責任のある行動をしなければならないと思った。
  • 大人の責任について考えるいいきっかけになった。
  • 大人の責任は重大なのでしっかり意識したいと思った
  • 「ひとごと」ではなく、自分の身の回りに起きても不思議ではないことばかりな事案なので気をつけようと感じた。
  • 社会的責任を自覚し、日々生活していきたい
  • 事例などをもとに分かりやすい説明でした。成人・社会人になった身として責任が大きいことを常に考え行動していきたいです。
消費者トラブルへの対応
  • キャッチセールスやマルチ商法などのトラブルに巻き込まれないように、日ごろから気をつけておかなければならないと思った。
  • クーリングオフの大切さがわかりました
  • 契約のトラブル等があった時にクーリングオフという制度の知識があれば、自分がトラブルに巻き込まれたときに友好的に活用できると思った。
  • 身近にある問題についてばかりだったので、わかりやすかった。成人している意識を持って、契約を結ぶ際は十分に気をつけたいと思う。
会社に所属している自覚
  • もう自分が会社の看板を背負っているのだと改めて感じました。
  • 社会人としてまた会社の社員として責任をもった行動をすべきだと自覚することができました。
  • 会社の名前を背負っていることを再度自覚し、うっかりミスがないように心がけたいと思います。
  • 法律のことを知れてよかったです。また、会社に迷惑をかけないために責任ある行動をとろうと思いました。
事業者としての立場
  • コンプライアンスの大切さがよく分かりました
  • 事業者としてのルールをきちんと認識した
  • クーリングオフする立場からクーリングオフされる立場に逆転したという言葉が一番印象に残っています
  • 自分が情報の流出源となる可能性もあるのを理解した。

まとめ

90分と限られた時間でしたが、かなりのボリュームを話すことができました。そして、法律という難しい分野にもかかわらず、興味を持って聞いていただきました。コンプライアンスについては、SNS投稿の注意点や個人情報流出の原因などについて、アウトラインを話しただけですが、もっとじっくり話す時間があれば、より効果が高まると感じました。

明石商工会議所では、今回のようなコンプライアンスについては初めての試みでしたが、企業にとっては、新人教育として大きな効果があったのではないかと思います。特に、中小企業では自前で研修をする機会が少ないので、コンプライアンスについては教育の機会はほとんどないと思います。貴重な人材を育成するためにも、また、企業への帰属意識を高めるためにも、効果的だったと感じました。


  • はりまコーチング協会では、今回実施したようなコンプライアンスについての研修を新入社員や階層別に実施しています。消費者の立場からの消費者力の向上から始まり、反対に事業者の立場になった場合の責任など、法律が初めてでも分かりやすく解説します。
  • 不祥事予防のための具体的な事例や予防方法などについて、すぐにでも現場で活用できる内容を紹介しています。
  • 景品表示法や個人情報保護法、特定商取引法、食品表示法など、専門分野の研修も実施しています。