明石商工会議所 新入社員研修(2017/4/6)【実施報告】

毎年実施される明石商工会議所での2日間の新入社員研修の1日目の午前中の2時間を担当しました。受講者は約90人で、3年連続で講師をさせていただきました。

これまでは2日目だったので少しは緊張感がとけていたかもしれませんが、今回は初日の1コマ目です。座席並びも縦の順番で同じ会社でも隣は別の会社の受講生でした。少しワークもする予定でしたので最初に隣の受講生と挨拶をして緊張をといていただきました。

広い会場なので、パワーポイントの字は大きく表示して、資料もスライドをそのまま印刷するのではなく、下半分がメモ欄になっている10ページの資料にまとめ、レジメと簡単な穴埋め確認テストを使用しました。

研修内容は例年と基本的には同じですが、消費者教育のなかで、「債務整理」と「リボ払い」について追加しました。

消費者教育的な部分は実は中学校や高校で学習している内容なんですね。教科書的な知識から、実際に社会人になってリアルに遭遇する問題として、「知っている」から「できる」ようにレベルアップしてほしいという願いもこめました。

研修内容

研修タイトル
『社会人のコンプライアンス
~企業不祥事の未然防止と若者を狙った悪質商法から身を守るために~』

配布資料・・・レジメ1ページ、資料10ページ、確認テスト1ページ
※スライド資料は配布していません

コンプライアンスって知ってますか?

最初に「コンプライアンス」という言葉を知っているかという問いかけをして、知っていることをメモしてもらうワークをしました。知らなければ知らないでもかまわないということで、隣の受講生と何を書いたか意見交換してもらいました。

多くの受講生は、あまり知らないというのが現状です。法律系の大学を卒業したのでなければ、ニュースで言葉は聞いたことがあっても、内容までは知らないですよね。研修前後でどう変わるかというのを確認します。

目標

  1. 大人の責任を知ろう
  2. 契約トラブルを知ろう
  3. 不祥事は「ひとごと」ではない

主な内容

  1. 20歳になったら何が変わる?
    ・・・法律(民法)上の「未成年者の契約」と「20歳になったときの責任」について
  2. 消費者契約について
    ・・・トラブルの多い取引には法律の規制がかかり消費者は保護されます
  3. 特定商取引法とクーリングオフについて
    ・・・クーリングオフ期間内であれば無条件で解約できる
  4. 具体的なトラブル事例を紹介
    ・・・キャッチセールス、デート商法、マルチ商法など
  5. クレジット契約と借金について
    ・・・気をつけたい携帯電話契約
  6. 消費者力を向上させ、自立した消費者へ
    ・・・従業員個人のコンプライアンス
  7. 事業者として法律を守る立場に
    ・・・事業者としてのコンプライアンス
  8. まとめ

研修内容の一部を実際に使用したスライドで紹介します

未成年者契約

  • 大人になるという法律的な意味を「民法」で解説しました。
  • 『民法 第4条 年齢二十歳をもって、成年とする。』
    民法の成人年齢の引き下げもあわせて、簡単ですが重要な第4条を紹介し、引き続き、第5条の未成年者の法律行為について解説しました。
  • 未成年者契約については、スマホのゲームの課金を事例に解説しました。

 

法律行為とは

  • 今日はどんな契約をしましたか?最近どんな契約をしましたか?
  • 問いかけに対して、大きな金額の契約を思い浮かべるのですが、実は小さいころにスーパーでお菓子を買ったことは「売買契約」であり、今朝コンビニでお茶を買った、など、日常的に契約行為は行われています。
  • コンビニでの買い物などは契約書がなくても成立するということからも、契約には必ずしも契約書類が必要なわけではないなど法律行為の原則を解説しました。

 

消費者を守る制度

  • 契約はお互いが合意すれば成立するので自己責任が原則となります
  • しかし、消費者と事業者との契約では情報力や交渉力などの力の格差がありますので、思ってもみなかった契約をしてしまうことがあります。
  • 消費者を救済する制度があるということとその意味を解説し、特に訪問販売などの特定商取引法を紹介しました。

   
クレジット契約

  • 携帯電話料金を滞納すると住宅ローンが組めなくなってしまう可能性があります。
  • 実質0円など、あまり自覚がないままに、ローンを組んでいます。ローン=借金です。
  • 携帯電話の本体の分割払の契約は、「割賦販売法の個別信用購入あっせん契約」という聞いたことのない言葉かもしれませんが、契約書類に明記されています。

 

債務整理

  • 今は関係ないかもしれませんが、将来多重債務に陥るようなことがあったときに、自己破産以外の債務整理の方法があるということを解説しました。
  • 今回追加した内容です。

リボ払い

  • 「リボ払い」も今回から新たに追加しました。
  • 追加したきっかけは私自身の体験からです。リボ払い自体は手数料が高くあまり利用すべきでない支払い方法なのは知っていましたが、先日、とあるカードで10万円の買い物をしたところ、請求が3,000円だったのです。書類を確認すると、リボ払いになっていたのです。リボ払いにした覚えはなかったのですが初期設定は必ずリボ払いになっていたのです。ネットでのカード申込だったので口座番号も用紙で送付することになっていませんでした。これを通常のカードと同じ1回払いコースに変更しようと思えば、ネットで手続きできず、コールセンターに電話するなど手続きが面倒でした。ということは、このままリボ払いで利用してしまっている消費者もいるのではないか?と思いました。リボ払いは儲かりますからね。この手のトラブルが結構多いので、研修でも取り上げました。
  • リボ払いのどんなところが怖いのかも、通常の分割払いと比較した簡単なモデルを使って解説しました。少しでも記憶に残っていていただけたら今後カードを利用するときに思い出すのではないかと期待しています。

 

コンプライアンスとは~消費者から事業者の立場へ

  • この研修が、企業向けの研修である最大のポイントです。
  • 消費者としての立場を理解してこそ、事業者という反対の立場になることの重要性が理解できるのです。今までは事業者に苦情を言っていたかもしれませんが、これからは苦情を言われる立場に変わるのです。
  • そんなときに、きちんと法令を守り、トラブルが起こらないようにすることが「コンプライアンス」であると説明すると、コンプライアンスという聞いたことがない難しい言葉もイメージがわくのです。

 

コンプライアンスとは~企業不祥事の予防

  • コンプライアンスは何かというのを消費者と事業者との取り引きで学んだところですが、さまざまな分野のコンプライアンスがあり、企業の不祥事を防止するためには重要であるということで、不祥事につながる具体的な事例を紹介しました。
  • 特に、個人情報の流出については、最近の若者はパソコンでメールを使ったことがないこともあるので、ちょっとしたことでミスにより個人情報を流出させてしまう危険性が誰にでもあるということを伝えました。
  • テレビの中の「ひとごと」ではなく、いつでも起こりうる「自分ごと」として意識していただきたいという願いがあります。

   

まとめ

  • 最後に、最初に行った「コンプライアンスって知ってますか?」のワークを行いました。
  • 研修前後の変化を感じていただき、ポイントをまとめました。

神戸新聞 平成29年4月7日(土) 朝刊 明石地域版

  • 昨年は私の研修を取材していただきましたが、今年は午後のマナー研修の取材でした。
  • 本文中に「初々しい表情で、コンプライアンス(法令順守)やビジネスマナーなどを学んでいた。」と紹介されています。

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