ヤフーオークションなどのオークションでは、個人の不用品の処分として楽しむことから始まりました、今では、商品を仕入れて利益を出して、小遣い稼ぎに使う人も増えてきました。
すると、趣味を越えて販売業者になるのではないかと指摘されてしまいます。

そして、事業だとすると、販売業者として、特定商取引法による表示や規制などの義務が生じます。さらに、事業の開始届けや税務申告の必要もあり、場合によっては副業禁止の就業規則にも抵触する可能性もあります。
たくさんいるから見つからないと思うのは甘い考えで、行政の調査だけでなく、内部告発も多くあります。追徴課税だけでなく、本業を解雇されないためにもルールを理解しておいてください。

また、本人が利益も出ておらず営利目的ではなく趣味だよと言っても通じるわけではなく、営利かどうかは、やっている人の意思には関係なく、客観的に判断されます。

そこで、国からどんな場合に「販売者」としてみなされるかというガイドラインが平成18年1月31日付けで策定されました。

特定商取引法の通達の改正について
~「インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン」の策定について~

http://www.meti.go.jp/policy/economy/consumer/consumer/tokutei/pdf/auctionguideline.pdf(リンク切れ)

または、特定商取引法ガイド
特定商取引法ガイド>特定商取引法とは>インターネットで通信販売を行う場合のルール
http://www.no-trouble.go.jp/what/mailorder/rule.html
インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン
http://www.no-trouble.go.jp/pdf/20120401ra01.pdf

インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン

(1) 全てのカテゴリー・商品について

例えば、以下の場合には、特別の事情がある場合を除き、営利の意思を持って反復継続して取引を行う者として販売業者に該当すると考えられる。
①過去1ヶ月に200点以上又は一時点において100点以上の商品を新規出品している場合
②落札額の合計が過去1ヶ月に100万円以上である場合
③落札額の合計が過去1年間に1,000万円以上である場合

(2) 特定のカテゴリー・商品について

例えば、以下の場合には、通常、販売業者に当たると考えられる。
①(家電製品等)について、同一の商品を一時点において5点以上出品している場合
②(自動車・二輪車の部品等)について、同一の商品を一時点において3点以上出品している場合
③(CD・DVD・パソコン用ソフト)について、同一の商品を一時点において3点以上出品している場合
④(いわゆるブランド品)に該当する商品を一時点において20点以上出品している場合
⑤(インクカートリッジ)に該当する商品を一時点において20点以上出品している場合
⑥(健康食品)に該当する商品を一時点において20点以上出品している場合
⑦(チケット等)に該当する商品を一時点において20点以上出品している場合

また、ガイドラインでは例外等についても説明されていますので気になる場合はガイドライン本文を参照してください。

たとえば①について、次の説明があります
「但し、トレーディングカード、フィギュア、中古音楽CD、アイドル写真等、趣味の収集物を処分・交換する目的で出品する場合は、この限りではない。」

メルカリなどのフリマアプリの場合はどうなのか?

実はメルカリに問い合わせたことがあるのですが、「メルカリは個人のお客さま向けにご利用いただけるサービスといたしておりますため、個人及び弊社の指定する事業者以外のご登録はお控えいただいております。」とのことで、ガイドラインには特に触れられませんでした。

この問題については日本経済新聞にもとりあげられたりしており、課題となっています。

日本経済新聞 電子版 2018/11/28

売り手は個人?事業者? フリマアプリに「法の穴」

法務インサイド コラム(ビジネス) 法務・ガバナンス
2018/11/28 6:30日本経済新聞 電子版

スマートフォンなどのフリーマーケットアプリを使った売買のトラブルが後を絶たず、手口も巧妙になっている。個人が売り手になる取引は、事業者と個人の取引を想定した既存の法律の網をかけにくく、被害を受けた消費者の救済が難しい。インターネット上の個人間取引が急拡大するなかで、「法の穴」をいかに埋めるかが大きな課題になっている。

(引用)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38042240R21C18A1000000/

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投稿者プロフィール

消費者法務コンサルタント 赤松靖生
消費者法務コンサルタント 赤松靖生
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)
◆WEB情報発信の専門家(ITコーディネーター)
ワードプレスによるホームページ制作支援・WEB情報発信支援
WEB情報発信セミナーなどWEB関係は趣味から発展した専門分野