【国立循環器病研究センター】平成28年度コンプライアンス研修「事例で学ぶコンプライアンス」(平成30年5月23日)【実施報告】

【国立循環器病研究センター】平成28年度コンプライアンス研修

  • 研修タイトル「平成28年度コンプライアンス研修」、サブタイトル「事例で学ぶコンプライアンス」
  • 平成30年5月23日(水) 17:30~18:20(50分間)
  • 対象者数は、全職員約1,700人です(会場で約200人、サテライト会場で約100人、後日のイーラーニングで未受講者)
  • 職種は、医師・看護師・医療スタッフ、研究者、事務職員など多様です
  • 病院・研究所・各種センターなど大規模な施設です
  • 国立循環器病研究センターは大阪の吹田市にあります。最寄り駅は阪急北千里駅・地下鉄千里中央駅。※1年後に移転予定

 

誰もが受けたくないコンプライアンス研修

コンプライアンス研修は誰もが受けたくない研修です。例えば、営業力強化などの研修は自分の成績向上につながりますが、コンプライアンス研修は明らかに組織が受けさせている研修です。こんなことをしてはだめだと説教されるような研修ですので、受けたくないのが本音でしょう。しかし、そういう気持ちで受講しては、全く身につきませんし、時間の無駄です。

そんなコンプライアンス研修を楽しく?興味深く、受講していただけるように考えたのが私のオリジナル研修です。

一番の課題は「自分ごと」となることです。そのために私は実際に起こった事例を多用します。しかもリアルな資料を探し出します。「え!こんなことやる人いるの?」「これはないだろう」などと興味を持ってもらえるように、まず、話を聞いてもらう環境を作り出しています。終わったころには、結果として、「自分ごと」と感じていただけることを目指しています。

最初の題材は最も身近な「SNS」です。事業者にとってもSNSが関係してくる不祥事は少なくありませんし、炎上事件として拡散していくこともあります。

興味を持ってもらうための最初のスライドが「プレミアムロールケーキ」。これがどう展開するのかは参加者限定です。これから毎月22日の病院内のローソンでは売り切れ必死?かも。「プレミアムロールケーキ」をみるたびに、今回のコンプライアンス研修を思い出していただけるとうれしいです。

1.SNSによる不祥事・個人情報の流出

  • 私自身も驚くような事例が実際にあります。そのときの新聞記事などを参考に、ネットから探し出したSNSに流出した写真などを使い紹介しました。※ネットから探し出せるということは、一度流出拡散してしまうと消えない情報として残り続けるということです。
  • 大きな事例を2つ詳しく紹介し、小さな事例を4つ簡単に紹介しました。

2.公務員・みなし公務員について

  • 実は今回の施設は「国立」であり、身分的には「みなし公務員」と呼ばれます。
  • 公務員となれば、企業の従業員と違い、法律で規制されることが増えてきます。
  • ただ、市役所などと違い病院は同じ仕事をしていても民間病院もあるので自分自身が公務員であるという意識が薄い場合もあります。
  • まず、身分が公務員であるということを再確認していただくために、根拠となる法律「高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律」を紹介しました。例えば、『(役員及び職員の地位)第十二条 国立高度専門医療研究センターの役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。』という規定があります。
  • そして、公務員であれば、刑法での公務員に対する処罰として、具体的にどのようなものがあるのかを紹介しました。ざっくりいうと、「公文書関係」「贈賄・収賄」「職権濫用」となります。

3.不祥事の背景には「お金の問題」あり

贈収賄や横領・着服の事例を紹介しましたが、その背景として「お金」の問題があります。純粋に「借金」して首が回らなくなって犯罪に手を染めてしまう場合もあれば、そこまでいかないまでも、お金のピンチにより精神的に不安定な状態になっていることもあります。

そこで、一線を越える前に、お金の問題を解決する方法があることを、「消費者センター」の職員であった立場からお伝えしました。

①消費者契約でのトラブルは解決できる。

  • 「キャッチセールス・マルチ商法・不当請求・投資被害」など消費者契約の被害にあった消費者を救済する制度があり、お金の問題を解決できることがあるので、消費生活センターに相談してほしいことをお伝えしました。

②債務整理は「自己破産」以外の方法もある

  • 多重債務などで、どうしても債務整理をしなければならないときに、「自己破産」を思い浮かべます。自己破産は「破滅」の印象があり、何とかしたいという思いから泥沼にはまり、犯罪に手を染めることもあります。
  • 債務整理には「自己破産」のほかに、債務を1/2~1/3に圧縮してもらい住宅を手放さなくてもすむ「個人再生」や話し合いで債務を減免してもらう「任意整理」「特定調停」があることを紹介しました。債務整理は「破滅」ではないということを知ってほしかったのです。
  • 今現在、多重債務になっていることもあるかもしれませんし、将来、借金問題を抱えることもあるかもしれません。行き詰った場合は、さまざまな解決方法があるということを頭のすみに入れていただきたいです。
  • この話は、新入社員コンプライアンス研修でもお伝えしています。

4.セクハラ・パワハラ・不正行為

  • 今、社会問題となっているセクハラ・パワハラですが、放置していたら大変なことになりますし、部下に相談された場合にうまく対応できなければ外部に告発されることもあります。
  • 管理職にとって部下からの相談は、センシティブな問題も含まれているので、個人の知識やスキルでは適切な対応は非常に難しいのではと考えています。
  • 具体的な事件を紹介しながら、実は、組織内部に通報・相談体制があることを紹介しました。

まとめ

  • 最後に本日の振り返りました。そして、メッセージとして「人の振り見て我が振りなおせ」「反面教師」です。今回の話の中で、もしかすると受講者自身が私もやってしまうかもしれない「どきっ」と瞬間があったなら、少し意識していただけたらうれしいです。
  • また、見て見ぬ振りも処罰される時代になってきています。相談された側も自分で抱え込まず、しかるべき専門部署を巻き込んでいくことが解決につながります。
  • そして、「明日はわが身」ということです。

会場は図書館にある200人ほどの行動です。改めて写真で見ると壮観ですね。

1700人が対象ですので、ほかの100人の部屋でサテライト中継しながらの研修でした。全職員が受講必須なので、仕事などで受講できなかった場合はビデオ録画によるイーラーニングという、徹底した研修受講体制です。私の研修が1700人に受講されると考えると、恐縮してしまいます。

ちなみに、今回の研修は、研修講師派遣会社を通して依頼されたもので、さらにコンペがあって採択されたとのことです。

コンプライアンス研修をぜひ取り入れましょう!

  • 新入社員コンプライアンス研修・・・学生から社会人になるという自覚を促すことができます。最初に不祥事は他人事ではないと知ることは事業者のコンプライアンス体制構築に大きな効果をあげることができます。毎年の積み重ねがコンプライアンスの風土を作り出すことにつながります。
  • 管理職・階層別・職種別のコンプライアンス研修・・・それぞれの対象者や業種に応じて、事例を変えながら、オリジナルにカスタマイズします。計画的に定期開催して全関係者に浸透させましょう。