事業者の相談先と解決方法

一般消費者が何か困りごとがあって相談したいときには、役所などの公的機関ににさまざまな分野の相談先があり、しかも、無料で対応してくれます。
法律問題から、離婚・相続、借金、DVなど。
また、近隣のトラブルなどは役所の「まちづくり」の関係部署などが相談に応じてくれることもあります。

目次

  • 消費者センターでの「あっせん」
  • 法的な解決方法
  • それでは、事業者が相談したいときは?
  • 消費者センターでは事業者からの相談を受けるのか?
  • 従業員の消費者教育
  • 事業者は商工会議所等で相談してください
  • 一般企業では法務担当者や顧問弁護士の出番です
  • 顧問契約
  • 業界団体に所属する方法も
  • 小規模事業者にとっての相談とリスク管理
  • 私の目指している個別相談

消費者センターでの「あっせん」

消費者と事業者との消費生活に関する契約トラブルは、消費者センターが相談を受け付けます。もちんろん、無料です。消費者センターでは、消費者と事業者のトラブルを、法律などを根拠にしながら、話し合いで解決します。これを「あっせん」といいます。クーリングオフなどの法的要件から強制的に要望する場合もありますが、ほとんどが、法律には直接規定のないトラブルが多いです。
「あっせん」は両者の落としどころを模索して、お互いに納得してもらう、「WIN-WIN]の関係を目指すのに対して、弁護士がはいる訴訟等は、「勝ち負けをはっきりさせる」というのが特徴です。

法的な解決方法

話し合いが不調に終わったときや、消費者が「あっせん」の範囲を越えた要求や損害賠償的な要求をのぞむ場合は、法律的な解決が必要なこともあり、法律相談を紹介します。
法律相談は、役所の無料相談(普通30分程度)を紹介します。「法てらす」という公的専門機関もあります。そこで、さらに前に進もうとなると、個人で弁護士等に有料で依頼することになります。

また、いきなり専門の法律家に相談して進めたい場合は、役所の無料相談ではなく、専門の法律家に相談することになります。相談は一般的に30分5000円です。
どこで法律家を探すかとなると、たとえば、県の弁護士会・司法書士会などの、法律化が属している会になります。場合によっては初回相談無料というのもあるでしょう。

このように、一般の人は、何か困りごとがあったときに、解決できるように、手厚く制度が作られています。
市民サービスを受けることができるのは、税金を支払っているので、当然といえば当然ですね。

それでは、事業者が相談したいときは?

役所の法律相談に受けることができる場合がありますが、基本的には事業者は対象外となっています。

事業者は、事業で利益を出しているので、事業者の利益のために、市民向けの法律相談などの公的サービスを使うことはできないのです。自社の利益のための相談だから自社で費用は負担しなさいという原則ですね。

消費者センターでは事業者からの相談を受けるのか?

消費者センターにも、ときどき事業者からの相談があります。
しかし、消費者センターは消費者からの相談を受けるところなので、事業者からの相談はお断りしています。
ただし、消費者センターの相談員が受けてらい場合でも、消費者センターの職員が話を聞くことはあります。
消費者センターでは、事業者指導を行うことがありますので、事業者指導という範疇で事業者から話を聞いて答えれることは応えてあげるし、答えられないことや、答えるのが適当でないことは、答えません。このような相談ができるのは消費者センターの規模や方針によって異なります。また、事業者の『言い方』によっても、変わってきます。

従業員の消費者教育

ちなみに、消費者センターでは消費者教育のために市民から要請があれば出かけて消費者講座等を行っています。事業者からも従業員教育として講座をやってほしいという依頼がありますが、さきほどの理屈と同じで、営利企業の従業員教育は企業で費用を負担してくださいとなります。そして、役所では企業向けに有料で出前講座をするという制度は基本的にありませんので、それぞれの企業で、消費者教育ができる人を探すことになります。民間の消費者団体等でやっていることが多いですね。1回3~5万円というところでしょう。私も企業向けの消費者教育の研修をする準備はできています。

事業者は商工会議所等で相談してください

事業者から相談があった場合は、私が所属していた消費者センターでは、基本的に、商工会議所を紹介します。ほかでも同じだと思います。商工会議所では無料で相談に応じているところがほとんどだと思います。もちろん、もっと先に進むときは有料で法律家に依頼することになるのは市民と同じです。

ところが、商工会議所の法律相談などは、いつもやっているのではなく、月に1回とか週に1回とかの割合です。予約制で商工会議所まで出向いていかなければならないのが一般的でしょう。

経営相談などでしたら、商工会議所の職員がいつでも対応してくれますし、役所などの産業振興の部署や外郭団体でも、いつでも相談に応じてくれると思います。しかし、法律相談になると、専門家を呼んで場を作らなければならず、なかなかすぐの対応できません。

急いでいるとき、ちょっと聞きたいだけ、というときには使いにくいですね。

今は、ネットで調べることができる時代ですが、なかなかマッチした答えが見つからないことがあります。

一般企業では法務担当者や顧問弁護士の出番です

大企業では専門の法務担当者がいます。社内に法務担当者が置かれている場合は、従業員ということで人件費が必要です。弁護士クラスの担当者を置く場合もあり、最低でも年間800万円ぐらいは必要でしょう。社会保険等の経費を考えると1000万以上の負担になります。ただし、現実的には法務担当者が求められる時代になってきています。先日のワールドビジネスサテライトでも特集されてました。ぜひ動画を見てください。

【参考】「社内弁護士」急増!そのワケは?(平成26年7月17日放映・動画あり)
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/feature/post_70877/

法律事務所に所属せず企業で社員として働く弁護士、「社内弁護士」が10年前と比べて10倍以上の1,000人近くに急増しています。新ビジネスを手掛けることが多いヤフーは、社内弁護士が18人。企業法務の即戦力として活躍したり、訴訟対策も担います。タイルや玄関ドアなどシェアの高い製品が多いLIXILは、社内弁護士を社内監査に活用して、独禁法などを意識したコンプライアンス強化を狙います。以前の弁護士業界では、企業で働くことをよしとしない空気があったようですが、司法制度改革で弁護士が急増して法律事務所が飽和状態になったり、弁護士報酬の低下で企業との給料格差も縮小したことなどから、最近では、社内弁護士に抵抗感はないといいます。こうしたなか、多摩市役所も弁護士資格を持つ職員を任期付で採用。地方分権の時代を反映して、市独自の政策を条例化することが増えていて、市役所内部の法律問題の対応などで活躍しています。

取材先
・ヤフー
・LIXIL
・C&Rリーガル・エージェンシー社
・多摩市

顧問契約

困ったときや定期的に弁護士などの専門家に相談する場合は、一般的に「定期契約」と「スポット契約」があります。
法律相談だけにするのか経営のことまで相談するのか、持っている資格や、キャリアによって金額は変わってくると思いますが、「顧問契約」について、いろいろ調べたところ、スポットで1時間3~5万円、月契約で1回2時間月1回で単価を掛けて6~10万円というのが一般的のようです。

また、最近は、行政書士クラスの人が、メールによるネット相談のみに特化して、相談回数月1回で5000円や相談回数無制限で15000円の月契約という格安な営業をしているところもあります。また、保険のようなサービスもあります。

業界団体に所属する方法も

訪問販売協会、通信販売協会、結婚サービス協会、旅行業協会、銀行協会、寝具販売協会、探偵業協会など、大小さまざまな業界団体があります。そこに所属すると、業界の情報誌をもらえたり、個別相談に応じてくれるところもあります。もちろん、会費は必要です。業界標準約款を定めている業界などは契約書作成に当たって雛形があったりするので活用できるかもしれません。

小規模事業者にとっての相談とリスク管理

「たいしたことではないんだけれど、ちょっと聞きたい」「こんなトラブルがあったのだけどどうすすめていけばいいのかわからない」など、隣の席や、すぐそばに詳しい友人がいれば、「教えて」といえるのに、と思うでしょう。会社勤めをしたことがあればよく見る光景ですね。それが組織の利点です。
しかし、小規模な事業者になると組織の利点がありません。自分で解決しなければならないことが多いです。
聞ける人がいないので、そのまま放置になってしまったり、トラブルが大きくなって賠償した、とかいう結果になることもあると思います。

また、勝ち負けを目指す弁護士型の解決ではなく、継続的にお客様になってもらえるように「WIN-WIN」型の解決を目指すことも大事です。もちろん、明らかなクレーマーであれば強硬な姿勢は必要ですが実はそのようなクレーマーはごく少数なのです。

小規模事業者がトラブルに巻き込まれたら一発退場の可能性もあります。リスク管理は目に見える利益に結びにくいので、手を出しにくいところですが、とても重要な基盤です。
そうはいっても、小規模なビジネスでは、そうそうトラブルが発生するわけではないので、顧問契約などの大きな金額は負担になりますし、あまり活用する機会も少なく、必要性は感じにくいと思います。しかし、まったく対応せずにいいというわけではないことは、みなさん気付いていると思います。
コストを低くしながら、困ったときに相談できる身近な専門家がいれば安心なのに。

私の目指している個別相談

私は、すぐそばにいる、法律に詳しい友人という位置づけを目指しています。
ネットだけの顔の見えない関係ではなく、また、スポット相談だけの関係ではなく、顔の見える関係であるからこそ、本音でお互いが見えてくると思います。

ただし、ボランティアではなく、私も事業としてやる限りは、何らかの負担をお願いしなければなりません。
どのような形にすればいいのかをいろいろ考えています。

少なくとも、大きなな規模の会社数社に10万単位の大きな金額の顧問契約ではなく、多くの小規模な事業者に月に5000~10000円程度の負担で、法務関連の勉強や苦情対応の実務、困ったときの相談をしたいなあと思っています。顧問契約にしては大げさすぎるので、スクールや塾の月謝や会費のようなイメージです。ただ、毎月の継続的な負担は小規模な事業者には受け入れられないんですよね。50~100社程度を目指しているので、それを目指せる声や支持があればすぐにでもできるのですが、ふたを開けると集まらないのです。会員制の有料サイトで1回失敗してますし、理想は掲げつつも、どのような形がいいのか、みなさまの意見も聞きながら、考え中です。