【消費者法務通信】安売りプライベートブランド食品の製造者表示(2019年2月4日号)

消費者法務コンサルタントの赤松です。

前回のメルマガ【消費者法務通信】年越しそばの原材料表示(2019年1月4日号)では、「そば」という商品でありながら、実はそば粉よりも小麦粉の原材料の割合が高いことがあるということを書きました。そして、最後に、「年越しそばが5円で売られていた」ことについて食品表示の視点からお伝えします、としておきながら、1か月も過ぎてしまい、節分が終わってしまいました。とはいえ、食品全般に該当する話なので、今回は続きを書きます。

ただでさえ、安売りのスーパーで5円(税別)で売っていた「そば」ですが、昔、激安そばを買ったときに、そばの味はせず、おいしくなかった経験があります。色自体も茶色ではなく黄色に近かったので、そば粉自体の仕様様割合が少ないのでしょうね。今回の5円そばも買っていませんが同じような色でした。

今や安ければいいというものではなく、品質の高いものにお金を支払う時代です。安いものは大丈夫かという不安さえ抱きますよね。5円そばは、この時期限定の商品でしたが。

今回の5円そばを見て思ったのは、製造業者は利益出てるのか?ということです。これで利益が出てるのなら、どんな原材料使ってるの?と思ってしまったわけですよ。スーパーが表示上の販売者となるPB(プライベートブランド)ですので、安くするために買いたたかれているのだったら「かわいそうだなあ」とか。さらには、そんな安売りされるメーカーの品質自体が不安になってきます。つまり、そのメーカーが作っている自社製品やほかのPB食品の品質が心配になります。おまけに、資金繰りなどの経営も心配になったりします。

そのときに、見るのが「製造者」は誰かという表示になります。

5円そばの製造者表示を見てみると、表示がありませんでした。これは製造者固有記号とよばれるもので、販売者名の後ろに記号を表示することで、製造者表示を省略することができるのです。今回の5円そばも固有記号表示でしたので、どこのメーカーが作ったのか分かりませんでした。

さて、この固有記号なのですが、食品事故が発生したときに製造工場を迅速に特定して対応するとともに、事故のあった食品を食べないように消費者に注意喚起する必要があります。固有記号だと分かりにくいですよね。2013年に発生した餃子への農薬混入事件で固有記号表示だたっために消費者への周知がうまくいかなかったことがありました。その教訓として、新しい食品表示制度の中で、原則として製造所が表示されることになりました。今は経過期間で完全施行は1年後の平成32年(2020年)4月1日になります。販売者表示と製造所表示が併記されることになるので、今回のような5円そばの製造メーカーがどこであるかが一目でわかってしまうのです。

経過期間ですが、すでに新しい表示に対応しているメーカーがたくさんありますのでスーパーで表示を見てみることをおすすめします。意外な驚きがありますよ。有名なメーカーと組んでいる商品はプレミアムとして高い値段でも売れています。コンビニも経営しているあの会社です。一方、大手スーパーチェーンでも、まだ併記していないところがあります。どんなメーカーと取引しているのか、表示されるのを楽しみにしています。

さて、安売りPB商品の製造メーカーが判明したのなら、そのメーカーへの印象はどうなるでしょうか。私ならネット検索してホームページを確認したり、グーグルストリートビューで製造所の外観がきれいかどうかチェックしたりすると思います。おそらく、中小企業が多いと思いますが、安かろう悪かろうにならなように、自社の名前が出た時に備えて、ホームページをきちんとして、衛生管理や品質をアピールしたり、製造所の外観をきれいにしたりする、などの対応が必要だと思います。

また、小規模な飲食店などで原材料として購入する場合は、表示をチェックする習慣が必要です。食品事故に備えて仕入れた原材料の情報を残しておくことも大切です。特に景品表示法では不当表示対策として表示の情報管理が義務付けられています。

ちなみに、旅行に行った時のお土産にも製造所が表示されることになっているので、実は地元で作ったものではなく遠くの工場で作ったお土産であるという発見も出てくると思います。

平成31年度は、新たな食品表示制度への経過期間の最終年度になります。経過期間は5年ありましたが、あっという間ですね。私の地元の公的機関では、まだ対応できていないメーカーや法律自体の理解が十分でないメーカーのために、セミナー開催をすることで話が進んでいます。正式に決まりましたら、告知しますので、近隣の事業者はぜひご参加ください。食品業界では、食品表示の改正ではなくHACCPの導入に話題が進んでいます。食品表示はできているものだということですね。もし、セミナーや研修をご希望の場合はご相談ください。

消費者法務コンサルタント 赤松 靖生
(一般社団法人はりまコーチング協会 代表理事)
651-0086 神戸市中央区磯上通6-1-17 ウェンブレービル6F
電話・FAX 078-201-4137
E-mail:contact@harima-coaching.or.jp
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