「民法の成人年齢18歳への引き下げ論」から「未成年者契約の取り消し」を再認識し、ビジネスチャンスに!

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消費者法務コンサルタントの赤松です。兵庫県からお届けします。

9/9の読売新聞(朝刊)で、未成年の飲酒・喫煙について18歳への引き下げ論が出ているという特集記事が掲載されていました。

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(解像度を低くしていますので、本文は実際の紙面を読んでください)

このような議論が出てきた背景には、このたび、公職選挙法での選挙権が20歳から18歳に引き下げられたことです。

選挙権の引き下げについては、当事者である18歳19歳からの賛否両論もありましたが、参政権という権利を20歳から18歳に引き下げることになりました。つまり、公職選挙法では18歳から大人として認めようということです。

すると、これまで20歳以上に認められていた「飲酒・喫煙」も18歳に引き下げようという議論が出るのは当然で、18歳から大人としての権利を与えようということになります。

今は18歳から大人と見るのか、20歳から大人と見るのかは、それぞれの法律で適用年齢が定められています。

今回新たに議論になっているのは、民法での成人年齢引き下げであり、飲酒・喫煙・公営ギャンブルは異論が相次ぎ、社会的な影響を考えて結論を先送りにするようです。

YOMIURI ONLINEより引用)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150910-OYT1T50096.html

「18歳成人」提言へ、飲酒喫煙「20歳」併記 2015年09月10日 18時52分

自民党の成年年齢に関する特命委員会は10日午前、関係部会との合同会議を開き、民法で20歳と定められている成人年齢を18歳に引き下げ、少年法の適用年齢も現行の20歳未満から18歳未満に引き下げる提言をまとめた。
一方、飲酒や喫煙ができる年齢については、「18歳以上」への引き下げと現行の「20歳以上」の両論を併記した。
同党は今後、党内手続きを経て、月内にも政府へ提言を提出する。法改正には関係省庁の準備などで2年程度かかるほか、提言は3年程度の周知期間が必要だとしているため、実際に成人年齢などが引き下げられるのは早くても5年後となる見通しだ。
成人年齢と少年法の適用年齢の引き下げは、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法の成立を受け、「大人」とみなす年齢を統一する狙いがある。

民法での成人年齢の引き下げは事業者にとってはビジネスチャンス!

一番のポイントは、最終的には民法での成人の年齢を20歳から18歳に引き下げようと動いていることで、現実の議論も進み、引き下げが実現する可能性も高いです。まあ、早くても実施は5年先ですが。

ちなみに民法の条文を紹介します。

民法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html

(成年)
第四条  年齢二十歳をもって、成年とする。

民法では契約に関するルールが規定されています。

これまでの18歳への引き下げの報道では、選挙権、飲酒、喫煙など権利の取得ばかりがニュースになっていますが、権利があれば当然義務も生じるということが一番大切です。民法では権利と義務が色濃く出ています。

未成年者との契約は原則として親権者の同意が必要です。
同意がなければ、未成年者契約の取り消しの規定により、契約がなかったことにできます(例外はありますが)。

「未成年者契約の取り消し」は消費者にとっては非常に効果的な権利でしたが、事業者にとってはビジネスをしていくうえで大きなハードルでした。

消費者にとっては悪質商法の被害のリスク増大

若者の被害が多い「高額なエステ契約」や「マルチ商法」などの被害回復では、クーリングオフ期間が過ぎてしまうと解約交渉が困難になります。

しかし、未成年者の契約だと、民法の民成年者契約の取り消しを行使すると契約がなかったことにできます。

したがって、悪質業者は未成年者だと分かるとアプローチは控えるというのが鉄則でした。

この年齢が引き下げられると、18歳・19歳が新たにターゲットになるのですね。

早ければ高校3年生、大学1年生、社会人1年生、と社会的経験が乏しく契約に関する判断能力の未成熟な若者が契約を十分に理解しないうちに高額な契約をしてしまうこともあります。

悪質商法の格好のターゲットになるでしょう。

赤松
民法での成人年齢が18歳に引き下げられると若者の悪質商法の被害が拡大するかもしれません
赤松
事業者にとってはビジネスチャンスにつながる可能性もあるんですね

裏を返せば、事業者として18歳・19歳へのアプローチのリスクが軽減されることです。

この記事を読まれている事業者は、悪質業者ではなく、健全な事業者だと信じていますが、この民法の未成年者契約については、経営者としてきちんと知っておくことが大切です。例外規定などもあり、なかなか独学では理解に苦労します。

今回の記事で、「未成年者契約の取り消し」について初めて知った個人事業主さん!法律を知ることは事業のリスクを軽減するとともに、ビジネスチャンスにもなります。営利活動をしている事業者は知ってて当然というのが行政のスタンスです。法律を知ることは、お客さまや社会から信頼を獲得し、売り上げの喪失防止、売り上げの向上に貢献します。

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