質問
①名前、住所、電話番号をホームページに表記したくない。
②「申込」ではなく「お問合せ、ご予約」の欄を設けたい。
③名前、住所、電話番号の表記が必須であれば、事務所としてバーチャルオフィスの住所を記載し、「サロンの住所はご予約後に詳細をお知らせ致します」を表記することは可能か。
回答
①名前、住所、電話番号をホームページに表記したくない。
- 特定商取引法の通信販売に該当する場合は、特定商取引法に基づく表記が必要となります。必要な表記の中に「氏名・住所・電話番号」が含まれています。
- 特定商取引法の通信販売の定義は、(1)商品・サービスを(2)消費者対象に(3)通信手段で契約の申込みを受ける場合となります。この3つの要件がそろうと通信販売となります。
- 特定商取引法の通信販売に該当しない場合は、任意表記となりますが、信頼性の獲得という観点からは表示されることが望ましいと思います。
- 特定商取引法に基づく表記では省略表示ができることとなっており、「氏名・住所・電話番号」も含まれます。ただし、省略表示した場合は、その旨を表示し、連絡があれば開示することになっています。契約の有無は関係ありません。
- 来店の予約だけの場合(契約は店頭で行う)は(3)に合致しないので通信販売とはなりません。したがって、表示は必要ありません。なお、契約が成立していないので、契約トラブルとしてキャンセル料等も存在しません。
- 「氏名・住所・電話番号」等を表示したくなければ、通信販売の条件を外すと可能になります。現実的には(3)が検討事項です。
- なお、法人として活動するなら登記上の住所と活動場所が異なることも多いです。
②「申込」ではなく「お問合せ、ご予約」の欄を設けたい。
- 「申込」「お問合せ」「ご予約」に関して、契約が成立する内容であれば、(3)を満たします。
- 単なる「お問合せ」や契約の申込みは来店してからなどの「来店のご予約」については、(3)にはなりません。
- 申込み等のさまざまなフォームはツールやプラグイン・外部サービスで作成することが可能です。
③名前、住所、電話番号の表記が必須であれば、事務所としてバーチャルオフィスの住所を記載し、「サロンの住所はご予約後に詳細をお知らせ致します」を表記することは可能か。
- 特定商取引法の住所としてバーチャルオフィスを記載することについては逐条解説で下記のように書かれています。
- 現に活動しているのであればバーチャルオフィスの住所表記を特定商取引法の表記の住所とすることは可能です。どのような活動をしているのかを言えるようにしてください。一般に、バーチャルオフィスは、住所貸しのみで作業スペースなしです。なお、シェアオフィスやコワーキングスペースの場合は、そこを事務所とするなら問題はありません。
- バーチャルオフィスの住所が特定商取引法の住所とするなら、実際のサロンの住所の表記は特定商取引法の住所ではないので表記の必要はありません。したがって、「サロンの住所はご予約後に詳細をお知らせ致します」と書くのは自由ですし、書かなくても構いません。ただし、施術するサロンの住所を開示していない場合はお客様がどう思うのかという信頼性について考える必要はあると思います。
- なお、特定商取引法の表記の住所の欄に「サロンの住所はご予約後に詳細をお知らせ致します」とだけ表記するのは不適切であり、予約していなくても問い合わせがあれば①のように開示することが求められます
「氏名又は名称」については、個人事業者の場合は戸籍上の氏名又は商業登記簿に記載された商号を、法人にあっては、登記簿上の名称を記載することを要し、通称や屋号、サイト名は認められない。「住所」については、法人にあっては、現に活動している住所(通常は登記簿上の住所と同じと思われる)を、個人事業者にあっては、現に活動している住所をそれぞれ正確に記述する必要がある。いわゆるレンタルオフィスやバーチャルオフィスであっても、現に活動している住所といえる限り、法の要請を満たすと考えられる。
(引用)
消費者庁・特定商取引法ガイド
http://www.no-trouble.go.jp/law/h28.html
特定商取引に関する法律・解説(平成28年版)《2018年6月29日発行》
特定商取引に関する法律の解説(逐条解説)
第2章 訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売
第3節 通信販売
http://www.no-trouble.go.jp/pdf/20180625ac04.pdf
83ページ参照
まとめ
①②③を総合的に考えると、③の方法が現実的に可能ではないかと思います。
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