【消費者法務通信】QR決済キャンペーンと景品表示法(2019年4月25日号)

消費者法務コンサルタントの赤松です。

みなさまPayPayやLinePayなどのQR決済で買い物していますか?
20%相当のポイントが返ってくるので、かなり話題になってお得感満載です。
昨年12月にPayPayの大キャンペーンがきっかけを作ったのですが、今のキャンペーンが5月末までなので、一旦は落ち着くかもしれません。
個人的にはLINEPayカードがJCBのリアルカードなので、カード決済できるネットショップや大手スーパー、医療機関でも使用できるのが貴重です。

さて、私はヤフーのプレミアム会員だったので、PayPayの5回に1回当たる「やたら当たるくじ」に2回当選しました。そのキャンペーンは1か月あまりで早々に終了しましたね。ただ、10回に1回当たる「やたら当たるくじ」は継続されており、これまで2回当選しました。

このQR決済のキャンペーンは20%還元が横並びですよね。さらに、5回に1回当たるくじも早々と終了したりしています。この数字や早期終了が、なぜこうなっているかというと、実は法律で規制されているからです。その法律はメルマガでもたびたび登場している「景品表示法」です。

景品表示法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」で、不当な景品類と不当な表示を規制する法律です。QR決済のキャンペーンが規制対象の「景品類」になっているというわけです。

メルマガ読者のみなさまは事業をされているので、キャンペーンを実施する機会もあると思いますが、法律違反した場合には行政処分を受けてしまうので怖いですね。
今回はその基本だけでもいいので知っていただき、もしキャンペーンを開催するとなれば、そのときに思い出していただけたら幸いです。

景品類には簡単に言うと「抽選で当たる懸賞」によるものと「もれなくもらえる景品(おまけ)」によるものがあります。前者は懸賞(一般懸賞・共同懸賞)で後者は「総付(そうづけ)景品」と呼ばれています。日常生活でも目にしているので想像がつくと思います。
それらの景品類について最高額と総額の上限があるのです。ちなみに取引に対しての景品なので、誰でも応募できる懸賞は対象外です。

【一般懸賞】取引金額が5000円未満の場合はその20倍が最高額、5000円以上の場合は10万円が最高額、総額は売り上げ予定額の2%

【共同懸賞】取引金額にかかわらず30万円が最高額(共同懸賞は商店街など複数の店舗で行う懸賞)、総額は売り上げ予定額の3%

【総付景品】取引金額が1000円未満の場合は200円が最高額、1000円以上の場合は2/10(20%)が最高額、総額に制限なし

この規制の範囲内でキャンペーン内容を決めていることになります。QR決済のキャンペーンでいえば、もれなくもらえる20%還元が「総付景品」で最高額20%と一致していますし、5回に1回当たるくじは「一般懸賞」で総額が上限に達したということなのです。ちなみに、PayPayの第1弾の10万円が当たるくじは一般懸賞の上限が10万円に一致していますし、さらに、売り上げ予定額の2%に達したためにくじのキャンペーンが早期に終了したということです。第2段の5回に1回あたるくじも2%の総額に達したということですね。ただし、10回に1回はまだ総額に達していないことになります。

5回に1回のくじが総額に達したというのですが、その総額は何が対象かと疑問に思い調べたところ、ヤフープレミアム会員限定だったので、その月会費の総額に対しての2%のようです。2018年3月期決算時点でのプレミアム会員数は約2000万人ですので、月会費が500円とすれば100億円となり、2%とすれば2億円が総額となるのでしょう(今はもっと会員数が増えてると思います)。

このように考えると、キャンペーン1つとっても、奥が深いですね。勉強になります。ユーザである場合は気楽ですが、キャンペーンを開催する立場になると法令遵守が求められます。違反してしまうと、行政処分や行政指導を受けることになりますので気を付けたいところです。

次回は、不当景品類で初の措置命令が出たという事例を紹介しようかなと思います。

消費者法務コンサルタント 赤松 靖生
(一般社団法人はりまコーチング協会 代表理事)
651-0086 神戸市中央区磯上通6-1-17 ウェンブレービル6F
電話・FAX 078-201-4137
E-mail:contact@harima-coaching.or.jp
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