WEB通販サイトの誤表示による行政処分事例【関西フロントエンドUG】Webデザイン・Web制作に関する勉強会 #6(2019年6月26日)報告

【関西フロントエンドUG】Webデザイン・Web制作に関する勉強会 #6に登壇しました

この勉強会ではWEB制作者向けの消費者対応の法律について登壇させていただいています。シリーズのようになりました。WEB業界に私の専門分野が興味を持ってもらえるかということを知りたいというマーケティングも兼ねています。

WEB制作者がホームページなどのウェブサイトを制作するときに、デザインや表示が知らずに法律違反になっていることがあるかもしれないので、気にしてほしいポイントをお伝えしています。

前日に企業での1日研修の講師をする予定だったので登壇するか迷いましたが、内容は決めていたので当日の朝にパワポ資料を作成しました。

今回から会場が変わりました。広くきれいになりました。

4回連続登壇していますので、ほとんどの参加者が1度は私の話を聞いたことがあるのかと思いましたが、半数近くが初めてでした。多くの質問をいただいたり、非常に興味をもって聞いていただいたので、とてもうれしかったです。シリーズのようになっていて知識を積み上げることができるので、毎回参加していただければと思います。

これまでのの登壇レポートは最下段にリンク先を紹介しています。

スライドシェアで公開

紙の資料は配布せず、あとからスライドを公開するというWEB業界のセミナーの習慣にならって、スライドシェアに公開しました。

法律関係のセミナーの資料はあまり公開していないのですが、WEB関係者のセミナーに登壇する機会が増えたので結構公開しています。
この勉強会は法律の解説シリーズです。別の交流会であるCSBBOではCS対応のスキルについてのシリーズとなっています。

セッション登壇内容の概要

今回は『WEB通販サイトの誤表示による行政処分事例』として、2019年6月13日に高島屋の通販サイトの化粧品で原産国の誤表記により景品表示法の優良誤認表示で措置命令された事例を紹介しました。

本日の目標と気づき

消費者対象の通販サイトをデザインするときや通販サイトの運営を任されたときは、表示間違いや不当な表示になる表現に注意しましょう。

景品表示法とは

景品表示法がどんな法律かということを簡単に説明しました。

景品表示法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」で、「過大な景品類の提供の禁止」と「不当な表示の禁止」の2本立てとなっています。

「過大な景品類の提供の禁止」は、「懸賞」や「おまけ」 についての規制で、「不当な表示の禁止」は①優良誤認②有利誤認③おとり広告など6指定表示が対象となっています。

①優良誤認表示は、 商品・サービスの品質、規格などの内容についての不当表示で、②有利誤認表示は、商品・サービスの価格などの取引条件についての不当表示となります。

優良誤認表示とは

今回お話しする「優良誤認表示」をもう少し詳しく説明すると、「商品・サービスの内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す表示」と「商品・サービスの内容について、一般消費者に対し、事実に相違して競争事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示」となります。後者は、ライバルメーカーの商品と性能を比べて優れているというようなものです。

高島屋が優良誤認表示による措置命令を受けた事例(ニュース映像)を紹介

高島屋に措置命令(2019年6月13日)※削除されています

【ANNnewsCH】「仏製」化粧品が実は韓国製 老舗百貨店に措置命令(19/06/13)(https://youtu.be/nwjrmpbu-7g

事例解説

もともとの化粧品の表示自体には何も問題がなかったのですが、ネット通販ショップでの原産国表示を誤って表記してしまいました。担当者の確認不足からくる単純ミスですね。

表示違反に対しては故意・過失は問われない無過失責任となっていますので、非常に厳しい処分となっています。

課徴金の対象にならない可能性も

今回は、長期間かつ品目数も多いことから、誤認表示の売上額が相当な額になる可能性が高いですので、課徴金が命じられる可能性が高いと思われます。とお話ししたのですが、よく考えると、1品目ごとに売上額が計算されるので、トータルでは対象となっていても、1品目で5000万円売り上げているとは考えにくいような気がしますので対象外になる可能性が高いかもしれませんね。ただし、1品目ごとの過去3年間の売り上げデーターを用意する必要があるので事務作業は大変になると思います。また、違反の大きさから考えて、本当に課徴金なしでもいいのかと思ったりします。

課徴金制度

  • 規制強化の一環で新たに制定された課徴金制度ですが、対象は「優良誤認」「有利誤認」となっています。高島屋の事例では「優良誤認」となります。
  • また、売上額の3%が課徴金となるのですが、課徴金が150万円未満は対象外(売上額5000万円以上が対象)となっています。今回の売上額はまだ公表されていませんが、課徴金が命じられた場合には売上高も公表されます。
  • 最近は半年後から1年後に公表されるパターンが多いのですが、上記で説明したように、1品目単位で考えると対象外になる可能性がありますので注視したいと思います。

つい先日には、マクドナルドにも課徴金命令が出ています。平成29年夏の「ローストビーフバーガー」の優良誤認表示が、平成30年7月に措置命令を受け、さらに、令和元年5月に課徴金が命じられました。こちらは3品目が対象で、それぞれの売上額が5000万円以上でしたので課徴金の対象となっています。
違反すると、長期間引きずりますし、経済的社会的損失も大きくなります。

まとめ

  • WEB制作を受注したときや、デザインするときに、表示違反をしてしまうと責任問題にも発展しかねません。
  • クライアントからのデザイン案が表示違反になる可能性があるのなら、それを指摘できるような知識があれば、付加価値にもつながります。
  • ぜひ、景品表示法などの表示を規制する法律については知っておきましょう。
  • 景品表示法についてどうやって学んだらいいのかという質問があったのですが、市販書籍は難しくなかなか読み込めません。消費者庁のホームページや公表資料、専門家の解説サイトもありますが、なかなかマッチするものと出会いにくいです。私のサイトでは事業者向けに契約や取引についての法律や実務について情報発信し得ちます。また、セミナーなども開催していますので、ぜひ活用してください。

景品表示法の参考書籍(通称、緑本)

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