CS担当者なら知っておきたい消費者との契約や取引についての法律 ~知ってますか?チェック!「民法(その1)」(CSビアバッシュ大阪 Vol.22 ライトニングトーク )レポート(2019/7/16)

CSBBO Vol.22 ~関西でCSの横つながり始めてみませんか?~

エックスサーバー株式会社さくらインターネット株式会社の共催で「CSビアバッシュ大阪」というCS担当者の交流会が毎月開催されています。ビアバッシュということでお酒を飲みながら緩く交流するというイベントです。今回から「アールスリーインスティテュート」が共催になるとのことです。

今回、5分間のLT枠が3枠用意されていましたが、前日に確認したところLT枠にキャンセルが出ていたので、いつものように残りのLT枠に申し込みました。結局、当日、もう1枠がキャンセルになり、2人のLTになりました。
(イベント募集ページ) https://csbbo.connpass.com/event/127144/

主催者のレポートはこちらです(さくらのナレッジ)・・・公開されたらリンクを掲載します。

CSに興味のある人なら、誰でも参加できます。参加費は1000円です。LT登壇すれば無料になります。

スライドシェアで公開「CS Beer Bash OSAKA Vol.22【LT】CS担当者なら知っておきたい消費者との契約や取引についての法律 ~知ってますか?チェック!「民法(その1)」

CS Beer Bash OSAKA Vol.22【LT】CS担当者なら知っておきたい消費者との契約や取引についての法律 ~知ってますか?チェック!「民法(その1)」の概要

ちなみに、今回からワイド画面のパワポに挑戦してみました。

今回のテーマは長いです。しかもシリーズものになっています。内容はタイトルの通りです。

CS担当者に限らないのですが、事業者向けに、消費者対応に必要な法律から、いくつかの重要ワード(条文)を紹介するというものです。

本来であれば知っておいてほしいのですが、そのような研修はなかなかやっていないと思いますので、この際に、簡単なひとこと解説をして、法律用語を知っていただきたいと思います。

民法から始まりますので、この先、消費者契約法、特定商取引法、景品表示法、個人情報保護法などに、続くかもしれません。

今回取り上げるキーワード

  1. 信義誠実の原則(第1条)
  2. 未成年者契約の取消し(第5条)
  3. 瑕疵担保責任(第570条)
  4. 錯誤無効(第95条)
  5. 到達主義と発信主義(第97条・第526条)

上記の5つを取り上げる予定でしたが、リハーサルをすると、5分の時間内に終わらないことが分かったので、3つにしました。残りは次回やりたいと思います。

条文の引用は飛ばし読みしてもOKです。

1.信義誠実の原則(第1条)

民法
(基本原則)
第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。

1つ目は「信義誠実の原則(第1条)」です。「信義則」ともいわれています。

読んで字のごとし、『権利の行使や義務の履行には「信頼関係」が大事ですよ。「信義」に従い、「誠実」に実行してください。』ということです。

高齢者に商品を売るときには判断力の低下につけこんで、悪質な商売をしてはいけないということです。金融商品などの裁判事例で、「信義則違反」が含まれていることもあります。

よくよく考えてみると、当たり前ですが、強力な条文で、何でもありという感じですね。

2.未成年者契約の取消し(第5条)

民法
(成年)
第四条 年齢二十歳をもって、成年とする。
(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

2つめは未成年者契約の取消し(第5条)です。さすがに知っている人も多いですね。法律行為なので日常の買い物も「売買契約」になります。

契約の相手方が未成年だと、あとから取り消しされるかもしれないので、契約するにあたって年齢確認が大事です。キャッチセールスなどでは必ず年齢を聞いてきますよね。そういうことなのです。

成人年齢は20歳ですが、民法改正によって。2022年4月1日から「18歳」に引き下げられます。それをビジネスチャンスととらえるか、ピンチととらえるかは企業次第です。

ただし、消費者から見ると、悪質商法へのリスクが増大することになります。たとえば、高校3年生で成人年齢に達する人が出てくるので、友人の力関係を使ってマルチ商法を契約させるなど学校内でのトラブルが考えられます。

さて、未成年者の取り消しには除外規定があります。何でもかんでも取り消しできていたら日常の買い物ができなくなってしまいますよね。

1つは第5条第3項にもある「法定代理人(親)が処分を許した財産」です。一般的には「おこづかい」と考えられており、明確な金額は決まっていませんが、高校生で1-2万円程度のようです(ゲームの課金の規約を参考)。あとは、お金を渡して、使い道を具体的に指定している場合です。

その他に、結婚すると成人とみなされる、営業としての契約は除外されるなどがあります。

3.瑕疵担保責任(第570条)

民法
(売主の瑕疵担保責任)
第五百七十条 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
第五百六十六条 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
2 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
3 前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。

3つめは瑕疵担保責任(第570条)です。瑕疵担保責任は少し難しい条文です。なんといっても「瑕疵」が読めませんよね。「かし」と読みます。欠陥という意味です。

売買当初はわからなかった欠陥が実は後から出てきた(「隠れた欠陥」といいます)場合、つまり、買った後に商品に欠陥があることが分かった場合は、契約の解除をしたり、損害賠償できたりします。

細かい範囲でいうと対象は特定物となりますが、そこまで細かくは考えなくてもいいようです。
交換が可能な汎用品(不特定物といいます)であれば債務不履行(契約を守っていない)により交換等を求めることができますので、あえて、この条文を使い、契約の解除や損害賠償を求めるまでの必要はないですが、交換できないオリジナル品など(特定物といいます)は代わりのものがないので、契約の解除をするしかありませんし、契約を履行する代わりに損害賠償をする場合もあるということです。

また、瑕疵担保責任は民法以外の個別の法律でも規定されているものがあり、担保する期間が長くなっていたりします(住宅など)。

この「瑕疵」という言葉が難しいということで、民法改正では、この言葉がなくなり、分かりやすい言葉として「契約不適合」になります。

復習

2020年4月1日 民法(債権法)の大改正

瑕疵担保責任でも説明しましたが、民法の契約に関する部分=債権法が大改正されます。特に、瑕疵担保責任は適用範囲が大きくなるようですので、WEB制作事業者にも大きな影響があると思われます。

ネット上では、多くの記事が出ていますが、まだまだ知られていないことが多いので、改正されたときに、何も対応していないと大変なことになりますし、不利益な契約を結んだり、余計な賠償による損失も出たりするかもしれません。

まとめ

民法は弁護士案件メインなので私には手を出しにくいのですが、このような機会を通じて、できるだけ勉強していこうと思います。

たまたまメインディスカッションで「〇」「×」札を使っていたので、そのまま利用させていただき、最初に、札を出していただきました。3割ぐらいの参加者が「〇」でしたが、最後に確認すると、全員「〇」が上がってました。たった、5分でスキルアップしたということですね。うれしいです。やってよかったと思う瞬間ですね。

CS担当者にとって契約や取引に関する法律の知識と実務は重要なスキルですので、ぜひ知っておきたいですね。

過去のCSビアバッシュ大阪の登壇レポート

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